「はい! これは古川さんのね」
そう言って渡されたのは新しい軍手。
真衣さんは何を思って私に笑顔で話しかけているんだろう。
私が嫌いなら無視していればいいのに。
もしかして、彼女も周りの目を気にして自分を殺しているとか?
いや、それはない。
真衣さんはクラスの中心的存在。
そんな人が無理やり自分を殺すわけがない。
「達也はまだきてないのか」
そう言えば、黒崎くんの姿が見当たらない。
もう集合時間になると言うのに。
「また寝坊かぁ?」
寝坊だろうが、ただのサボりだろうが、私にとっては、彼がいない方が助かる。
私たちは、黒崎くん抜きで掃除を進めた。
川辺の雑草の隙間を細かく探し、小さなゴミも残さず拾う。
遠くから見ると綺麗に見えても案外ゴミは落ちているものだ。
タバコの吸い殻やお菓子のビニール。
風に乗って運ばれてきたようなゴミばかりだった。
しばらく掃除をしていると、遠くから走る足音が聞こえてきて、私たち3人は顔をあげる。
「お!達也!」



