蛍の季節に、キミはまた会いに来る


勢いよく彼の手を振り払ったけど、語尾は小さく地面に落ちた。

「みんな見てるし……」

唇を噛み、もう彼の顔は見ない。

駐輪場の前。

空が青紫色に染まってくる時間帯。

静かな空間の中、居心地の悪い私の体はどんどん猫背になっていった。

「古川さ、なんでそんなに周りの目が気になるの?」

なんでって……。

有る事無い事、すぐに噂になって広がるから。

後からそれが嘘で事実じゃないと必死に言っても、誰にも伝わらない。

そうなる前に、そうなってしまう原因を削除する。

だから、人の目は一番気になるし、あなたのような人気者とこれ以上一緒にはいられないの。

ただの友達だとしても、周りの目にそう見えなければ、それは悪い噂として広がり、私は”また”居場所がなくなる。

そんな思いをするのは、前の学校だけで十分。

私には、もう行き場がないのだから。

「そんなにビクビクしてたら楽しくないだろ」

余計なお世話。

あなたには関係のないこと。

「俺は、時間を大切にしたいから、その時したいこと何にも考えずにしたいけどな。人の目とかどうでもいいから」

それは、あなたが人気者だからできること。