蛍の季節に、キミはまた会いに来る


「……やっと会えた」

徐々にはっきりと輪郭を表す緑色が、聞き覚えのある、私の細胞全部を震わせる、声を発した。

「う、うそ……」

声も、身体も、瞳も震える

目の前で起こる現実味のない出来事に、私は口元に手を当て目を丸くした。

「く、黒崎くん……?」

きっと、声になっていなかっただろう。

彼に届いたかもわからない。

なぜ、彼が、ここに?

なんで?

どうして?

「本当に……黒崎くん、なの?」

震える手で口元を押さえて聞くと、徐々にはっきりと姿を表した黒崎くんが、ゆっくりと頷いた。

微笑んでいる。

あの時と同じ。

私の大好きな笑顔で。

涙が溢れて止まらず、両手で顔を覆った。

抱えていた寂しさと、悲しさと、後悔が、一気に溢れ出す。

その瞬間、私に近づいてきた彼がそっと私の手を取った。

ううん。確かに手は重なってはいるけれど、はっきりしない黒崎くんの手は透けている。

だけど、なぜか暖かくて、確かに存在する感触だった。

「ずっと……見てた」

ああ……、黒崎くんの声だ。