彼がいなくなって、最初の蛍の季節。
川辺に蛍が舞う夜、私は一人で川辺を歩いていた。
手を伸ばしても届かない、もう会えない人。
黒崎くんのことを考えながら、蛍の放つ淡い光に目を奪われる。
胸の中がチクリと痛むのは、懐かしさだけではない。
やりたかったこと、言いたかったことがまだまだたくさんあったから。
いつも自分の弱さに負けて、また今度にしよう。次に会った時に言おう。
そう思うことが何度もあった。
当たり前に、明日があると信じていたから……。
1週間、2週間……。
学校では毎日が同じようにただ過ぎていった。
教室での無機質な時間をやり過ごしてから、川辺に向かう。
彼がなくなってから、ほぼ毎日、これの繰り返しだ。



