白ねこのココと、あまい森のひみつ

王女は、原因不明の病に倒れた。
医者が何人も診察したが、誰も原因を特定できない。
「これは……呪いです」
宮廷魔法使いが診断する。
「非常に強力な呪い。おそらく、古代の魔法です」
「解く方法は?」
「わかりません。この種の呪いは、もう何百年も見られていません」
私は王女の病室を訪ねた。
ベッドに横たわる王女は、顔色が悪く、苦しそうに息をしている。
「殿下……」
「ココ……来てくれたのね」
弱々しい声。
「大丈夫ですよ。必ず治します」
しかし、どうやって?
頭の中の知識を探る。呪い解除のお菓子……確かにある。しかし、材料が特殊だ。
「月光の果実」と「星屑の蜂蜜」。どちらも、この世界では伝説の材料だ。
「探すしかない」
翌日、私は旅に出る決意をした。
「師匠、私たちも行きます」
リリア、グレン、ノエルが志願してくれた。
「ありがとう。でも、店は?」
「アランさんが手伝ってくれるそうです」
意外だった。ライバルだった彼が、助けてくれるとは。
「王女を救うため、協力しよう」
アランの言葉に、胸が熱くなった。
四人で旅に出る。
最初の目的地は、北の山脈。月光の果実が採れるという伝説の場所だ。
三日間の山登り。険しい道、寒さ、危険な魔物。
「師匠、前方に魔物です!」
グレンが警告する。
巨大な熊のような魔物が襲ってきた。
「みんな、下がって!」
ノエルが魔法を唱える。
「炎よ、敵を焼き払え!」
火球が魔物を直撃する。しかし、魔物は怯まない。
「硬い!」
グレンが斧で斬りかかるが、分厚い皮膚に阻まれる。
「こうなったら……」
私はポケットから、特製のクッキーを取り出した。
「魔力増幅クッキー、投げます!」
クッキーをグレンに投げる。彼が食べると、体が光り始めた。
「力が湧いてくる!」
今度は、斧が魔物の皮膚を切り裂いた。
「やった!」
魔物を倒し、先へ進む。
山頂近くに、幻想的な光景が広がっていた。
月光を浴びて輝く、銀色の果実。
「これが、月光の果実……」
慎重に収穫する。触れた瞬間、冷たく、それでいて温かい感触。
「一つ目、ゲット」
次の目的地は、東の砂漠。星屑の蜂蜜が採れる場所だ。
砂漠への旅は過酷だった。灼熱の太陽、水不足、砂嵐。
「師匠、もう限界です……」
リリアが倒れそうになる。
「頑張って。もう少しよ」
地図によれば、オアシスが近いはずだ。
ようやくオアシスを発見。そこには、巨大な蜂の巣があった。
「あれが、星屑蜂の巣か」
星屑蜂は、夜にしか活動しない特殊な蜂だ。その蜂蜜は、星の光を浴びて作られるため、特別な魔力を持つ。
夜を待ち、蜂が巣を離れた隙に侵入する。
巣の中は、美しかった。壁が星空のように輝いている。
「これが星屑の蜂蜜……」
金色に輝く蜂蜜を、瓶に詰める。
「よし、これで材料は揃った」
しかし、帰り道で問題が発生した。
「師匠、追手です!」
背後から、何かが追ってくる。
振り返ると、そこには黒い鎧を着た騎士たちがいた。
「お前たちが、王女を呪った犯人か」
「違います! 私たちは王女を救うために……」
「嘘をつくな。貴様らの魔法が、殿下を蝕んでいるのだ」
彼らは、私を犯人だと思い込んでいる。
「逃げましょう、師匠!」
グレンが叫ぶ。
砂漠を必死で走る。しかし、騎士たちも速い。
「このままでは捕まる……」
その時、砂嵐が発生した。
「今よ、隠れて!」
砂嵐に紛れて、岩陰に隠れる。
騎士たちは、私たちを見失い、去っていった。
「助かった……」
しかし、時間がない。王女の容態は、刻一刻と悪化しているはずだ。
急いで王都へ戻る。