東の大陸での旅を終え、私たちは元の大陸へ戻ることにした。
「久しぶりに、みんなに会いたい」
「王都のこと、気になってたんじゃないか?」
「ええ。リリアたちはどうしているかしら。学校はうまくいっているかしら」
蒼の風号には会えなかったが、別の商船が見つかり、無事に出航できた。
海の旅も、今では慣れたものだ。
船の上で、私はこれまでの旅を振り返った。
ベルグランドでの飢饉との戦い。アルトリアでの失われたレシピの復活。サクラノクニでのハナとの出会い。最かわコンテストでの新たな仲間たち。
「随分、遠くまで来たものね」
「でも、まだまだ世界は広いぞ」
レイが海を見ながら言う。
「南の大陸も、北の極地も、まだ行ってない」
「それは、また今度の話」
笑い合う。
一週間の航海を経て、元の大陸の港町に到着した。
そこから、王都までの旅路。
見慣れた景色が戻ってくるたびに、心が温かくなる。
「ここが、私の大切な場所」
王都に入ると、突然、子どもが駆け寄ってきた。
「ココさんだ! 帰ってきた!」
「え?」
「噂で聞いてたよ! ココさん、東の大陸まで行ったって!」
あっという間に人だかりができる。
「おかえりなさい!」
「お菓子を持ってきましたか?」
「新しい味、教えてください!」
温かい歓迎に、目が潤む。
「ただいま戻りました」
もふもふカフェへ急ぐ。
店の前に着くと、リリアが飛び出してきた。
「師匠ーーー!!!」
抱きつかれて、よろめく。
「リリア、大きくなったね」
「もう! 心配したんですから! 一年も連絡なくて!」
「ごめんね。でも、元気にしてた?」
「もちろんです! 師匠がいない間、私が店を守ってましたから!」
リリアの後ろから、グレンとノエルも姿を見せた。
「師匠、お帰りなさい」
「旅はどうでしたか?」
「最高の旅だったわ。いっぱい土産話があるから、後で全部聞かせる」
店の中に入ると、変わらない懐かしい香りが迎えてくれた。
バターの香り、甘い砂糖の匂い、オーブンが温める空気。
「ここが、私の帰る場所」
エリザベート嬢も駆けつけてくれた。
「ココ! よかった、無事で」
「エリザベート嬢、お久しぶりです」
「心配したわよ。でも、あなたらしい旅だったみたいね」
「いろいろ勉強しました。見てください、新しいレシピをたくさん持ち帰りました」
「楽しみにしてるわ」
王女も会いに来てくれた。
「ココ、おかえりなさい」
「殿下、お元気でしたか?」
「ええ、おかげさまで。あなたがいない間も、お菓子文化はどんどん広まっているわ」
「本当ですか?」
「王都だけでなく、地方の町でもお菓子屋が増えた。あなたの弟子たちが各地に散らばっているのよ」
それを聞いて、胸がいっぱいになった。
「私が始めた一歩が、こんなに広がって……」
「まだまだこれからよ。あなたが帰ってきてくれたから、また新しいことが始まるわ」
夜、みんなでお菓子を食べながら、旅の話をした。
ベルグランドの飢饉が解決したこと、アルトリアに学校を作ったこと、サクラノクニのハナとの出会い、最かわコンテストのこと。
「最かわコンテスト!? それって、かわいさを決めるんですか?」
リリアが目を輝かせる。
「ええ。でも、見た目だけじゃないわ。その人らしい優しさや行動を、みんなで見つけるの」
「師匠は何位だったんですか?」
「総合二位。お菓子部門は一位でした」
「すごい!」
「来年は総合一位を目指します」
みんなで笑い合う。
レイも輪に加わり、旅の武勇伝を大げさに語っている。
「大変な旅だったけど、楽しかった。そして、また始まりだ」
私は窓から夜空を見上げた。
遠い東の大陸の夜空も、この王都の夜空も、同じ星が輝いている。
世界は繋がっている。
お菓子を通して、人々の心も繋がっている。
「久しぶりに、みんなに会いたい」
「王都のこと、気になってたんじゃないか?」
「ええ。リリアたちはどうしているかしら。学校はうまくいっているかしら」
蒼の風号には会えなかったが、別の商船が見つかり、無事に出航できた。
海の旅も、今では慣れたものだ。
船の上で、私はこれまでの旅を振り返った。
ベルグランドでの飢饉との戦い。アルトリアでの失われたレシピの復活。サクラノクニでのハナとの出会い。最かわコンテストでの新たな仲間たち。
「随分、遠くまで来たものね」
「でも、まだまだ世界は広いぞ」
レイが海を見ながら言う。
「南の大陸も、北の極地も、まだ行ってない」
「それは、また今度の話」
笑い合う。
一週間の航海を経て、元の大陸の港町に到着した。
そこから、王都までの旅路。
見慣れた景色が戻ってくるたびに、心が温かくなる。
「ここが、私の大切な場所」
王都に入ると、突然、子どもが駆け寄ってきた。
「ココさんだ! 帰ってきた!」
「え?」
「噂で聞いてたよ! ココさん、東の大陸まで行ったって!」
あっという間に人だかりができる。
「おかえりなさい!」
「お菓子を持ってきましたか?」
「新しい味、教えてください!」
温かい歓迎に、目が潤む。
「ただいま戻りました」
もふもふカフェへ急ぐ。
店の前に着くと、リリアが飛び出してきた。
「師匠ーーー!!!」
抱きつかれて、よろめく。
「リリア、大きくなったね」
「もう! 心配したんですから! 一年も連絡なくて!」
「ごめんね。でも、元気にしてた?」
「もちろんです! 師匠がいない間、私が店を守ってましたから!」
リリアの後ろから、グレンとノエルも姿を見せた。
「師匠、お帰りなさい」
「旅はどうでしたか?」
「最高の旅だったわ。いっぱい土産話があるから、後で全部聞かせる」
店の中に入ると、変わらない懐かしい香りが迎えてくれた。
バターの香り、甘い砂糖の匂い、オーブンが温める空気。
「ここが、私の帰る場所」
エリザベート嬢も駆けつけてくれた。
「ココ! よかった、無事で」
「エリザベート嬢、お久しぶりです」
「心配したわよ。でも、あなたらしい旅だったみたいね」
「いろいろ勉強しました。見てください、新しいレシピをたくさん持ち帰りました」
「楽しみにしてるわ」
王女も会いに来てくれた。
「ココ、おかえりなさい」
「殿下、お元気でしたか?」
「ええ、おかげさまで。あなたがいない間も、お菓子文化はどんどん広まっているわ」
「本当ですか?」
「王都だけでなく、地方の町でもお菓子屋が増えた。あなたの弟子たちが各地に散らばっているのよ」
それを聞いて、胸がいっぱいになった。
「私が始めた一歩が、こんなに広がって……」
「まだまだこれからよ。あなたが帰ってきてくれたから、また新しいことが始まるわ」
夜、みんなでお菓子を食べながら、旅の話をした。
ベルグランドの飢饉が解決したこと、アルトリアに学校を作ったこと、サクラノクニのハナとの出会い、最かわコンテストのこと。
「最かわコンテスト!? それって、かわいさを決めるんですか?」
リリアが目を輝かせる。
「ええ。でも、見た目だけじゃないわ。その人らしい優しさや行動を、みんなで見つけるの」
「師匠は何位だったんですか?」
「総合二位。お菓子部門は一位でした」
「すごい!」
「来年は総合一位を目指します」
みんなで笑い合う。
レイも輪に加わり、旅の武勇伝を大げさに語っている。
「大変な旅だったけど、楽しかった。そして、また始まりだ」
私は窓から夜空を見上げた。
遠い東の大陸の夜空も、この王都の夜空も、同じ星が輝いている。
世界は繋がっている。
お菓子を通して、人々の心も繋がっている。



