「君のことかな」
「……なんでそうなるんですか?」
「ティアナが俺を誘惑するからだよ。可愛くて、甘すぎるくらいにね」
「……」
「そんな冷たい目で見ないでよ。刺さるから」
「ふざけないでください」
「ふざけてないよ?
実際、君の甘い魅力に落ちてる人たちを、俺は何人も知ってる」
「はあ……」
私は曖昧に返す。
「そんなに見つめられると照れるな」
「ディランの方が“甘い罠”って言葉が似合いますよ」
ディランの方がモテモテのくせに。あの甘い笑顔で令嬢達を虜にしているのだから。
「そう?」
「はい。令嬢達をたくさん連れてたでしょ? 私の誕生日パーティーのとき」
キョトンとしたディランが、一拍置いてからニヤリと笑った。
「……ああ、あれか」
ディランは肩をすくめる。
「連れてたっていうより、囲まれてただけだよ。俺は逃げ場がなかったんだ」
「逃げ場……?」
「そう。君の家のパーティーだし、無下にもできないだろ? だから笑ってただけ」
「でも、楽しそうでしたよ?」
「楽しそうに“見えた”なら、ティアナのせいだな」
「私の……?」
「君が遠くから見てるのに気づいたから、余計に格好つけたんだよ」
「……は?」
「だって、君が見てると、ちょっとだけ張り切りたくなる」
ディランは軽く笑いながら、私の顔を覗き込む。
その距離が近すぎて、思わず息を呑んだ。
「ねえ、ティアナ。あのとき、少しでも嫉妬した?」
「し、してません!」
「ふーん。じゃあ、今は?」
「い、今もしてません!」
「じゃあ、どうしてそんなに顔が赤いの?」
「っ……!」
ディランの指先が、そっと私の頬に触れた。
触れた瞬間、心臓が跳ねる。
「可愛いな、ティアナ」
その声は、令嬢達に向ける甘さとはまるで違っていた。
「……なんでそうなるんですか?」
「ティアナが俺を誘惑するからだよ。可愛くて、甘すぎるくらいにね」
「……」
「そんな冷たい目で見ないでよ。刺さるから」
「ふざけないでください」
「ふざけてないよ?
実際、君の甘い魅力に落ちてる人たちを、俺は何人も知ってる」
「はあ……」
私は曖昧に返す。
「そんなに見つめられると照れるな」
「ディランの方が“甘い罠”って言葉が似合いますよ」
ディランの方がモテモテのくせに。あの甘い笑顔で令嬢達を虜にしているのだから。
「そう?」
「はい。令嬢達をたくさん連れてたでしょ? 私の誕生日パーティーのとき」
キョトンとしたディランが、一拍置いてからニヤリと笑った。
「……ああ、あれか」
ディランは肩をすくめる。
「連れてたっていうより、囲まれてただけだよ。俺は逃げ場がなかったんだ」
「逃げ場……?」
「そう。君の家のパーティーだし、無下にもできないだろ? だから笑ってただけ」
「でも、楽しそうでしたよ?」
「楽しそうに“見えた”なら、ティアナのせいだな」
「私の……?」
「君が遠くから見てるのに気づいたから、余計に格好つけたんだよ」
「……は?」
「だって、君が見てると、ちょっとだけ張り切りたくなる」
ディランは軽く笑いながら、私の顔を覗き込む。
その距離が近すぎて、思わず息を呑んだ。
「ねえ、ティアナ。あのとき、少しでも嫉妬した?」
「し、してません!」
「ふーん。じゃあ、今は?」
「い、今もしてません!」
「じゃあ、どうしてそんなに顔が赤いの?」
「っ……!」
ディランの指先が、そっと私の頬に触れた。
触れた瞬間、心臓が跳ねる。
「可愛いな、ティアナ」
その声は、令嬢達に向ける甘さとはまるで違っていた。



