「行ってみようか」
ディランが紙を軽く折りながら言う。
その声音には、どこか楽しげな響きがあった。
「そうですね。なんだか、冒険みたいでわくわくします」
「それは良かった」
ふっと笑う横顔が、光に照らされて柔らかい。
――鮮やかな花の咲く場所。
見渡せば、花壇には色とりどりの花が咲き誇っている。
赤、青、黄色、紫……どれも鮮やかで、まるで絵本の中の庭のようだ。
「とりあえず俺はこっちから。ティアナは、そっちから回ってきてくれ」
「はい!」
ふたりは別々の小道へと歩き出す。
花々が陽の光を浴びて揺れ、風がそっと香りを運んでくる。
その美しさに、思わず足を止めてしまう。
――けれど。
私は、ふと視線を落とした。
サルビア。
紫色の花が、静かに揺れている。
(家族愛……)
前にディランが話してくれた言葉が胸に浮かぶ。
“母は厳しかったが、父は優しくて、いくつも隠れ家を作ってくれた”と。
胸の奥が、そっと温かくなる。
花壇の縁に腰を下ろすと――見つけた。
根元に、ひっそりと隠された小さな木箱。
「ディラン、ありました」
声をかけると、ディランが軽い足取りでこちらへ向かってくる。
ふたりで木箱を開ける。
中に入っていたのは、一枚の紙。
『水面に映る影を追え』
「……影?」
思わず声に出すと、ディランは紙をひょいと持ち上げる。
「川だな。行ってみよう」
風が紙を揺らし、ふたりの間に静かな期待が流れる。
ディランが紙を軽く折りながら言う。
その声音には、どこか楽しげな響きがあった。
「そうですね。なんだか、冒険みたいでわくわくします」
「それは良かった」
ふっと笑う横顔が、光に照らされて柔らかい。
――鮮やかな花の咲く場所。
見渡せば、花壇には色とりどりの花が咲き誇っている。
赤、青、黄色、紫……どれも鮮やかで、まるで絵本の中の庭のようだ。
「とりあえず俺はこっちから。ティアナは、そっちから回ってきてくれ」
「はい!」
ふたりは別々の小道へと歩き出す。
花々が陽の光を浴びて揺れ、風がそっと香りを運んでくる。
その美しさに、思わず足を止めてしまう。
――けれど。
私は、ふと視線を落とした。
サルビア。
紫色の花が、静かに揺れている。
(家族愛……)
前にディランが話してくれた言葉が胸に浮かぶ。
“母は厳しかったが、父は優しくて、いくつも隠れ家を作ってくれた”と。
胸の奥が、そっと温かくなる。
花壇の縁に腰を下ろすと――見つけた。
根元に、ひっそりと隠された小さな木箱。
「ディラン、ありました」
声をかけると、ディランが軽い足取りでこちらへ向かってくる。
ふたりで木箱を開ける。
中に入っていたのは、一枚の紙。
『水面に映る影を追え』
「……影?」
思わず声に出すと、ディランは紙をひょいと持ち上げる。
「川だな。行ってみよう」
風が紙を揺らし、ふたりの間に静かな期待が流れる。



