皆が思い思いに酒を交わし、笑い声が絶えず響く。
灯りに照らされた部屋は、穏やかな賑わいに包まれていた。
――たまには、こういうのもいい。
ふと視線を向けると、セナが壁際で静かにグラスを持っていた。
周囲の騒がしさとは対照的に、彼だけは落ち着いた空気をまとっている。
「セナは飲まないの?」
問いかけると、彼は少しだけ視線を落とした。
「俺は……当分、酒はいいです」
「そう」
短い返事なのに、どこか柔らかい。
そのやり取りだけで、自然と笑みがこぼれる。
セナは少し間を置いてから、そっと手を伸ばした。
「……そうだ。これは、俺からです」
差し出された小さな包みに視線を落とす。
丁寧に結ばれたリボンが、彼の性格をそのまま表しているようだった。
開けてみると――
「……オルゴール?」
木目の美しい小箱。
蓋を開けると、小さな歯車がきらりと光る。
「はい。それに、小物入れにもなります。前に差し上げたピアスとか、外したときに入れてもらえたら」
少し照れたように、セナが笑う。
その笑顔は、普段の彼からは想像できないほど柔らかかった。
「ありがとう。大事にするね」
言葉にすると、胸の奥がふっと温かくなる。
今日だけで、どれほどの“想い”を受け取っただろう。
形ある贈り物も、
言葉も、
気遣いも、
全部が胸に積もっていく。
(こんな誕生日、初めてかもしれない)
誰かに囲まれ、
誰かに必要とされ、
誰かに大切にされていると、はっきり実感できる夜。
――幸せだ。
静かにそう思いながら、私はオルゴールをそっと胸に抱きしめた。
灯りに照らされた部屋は、穏やかな賑わいに包まれていた。
――たまには、こういうのもいい。
ふと視線を向けると、セナが壁際で静かにグラスを持っていた。
周囲の騒がしさとは対照的に、彼だけは落ち着いた空気をまとっている。
「セナは飲まないの?」
問いかけると、彼は少しだけ視線を落とした。
「俺は……当分、酒はいいです」
「そう」
短い返事なのに、どこか柔らかい。
そのやり取りだけで、自然と笑みがこぼれる。
セナは少し間を置いてから、そっと手を伸ばした。
「……そうだ。これは、俺からです」
差し出された小さな包みに視線を落とす。
丁寧に結ばれたリボンが、彼の性格をそのまま表しているようだった。
開けてみると――
「……オルゴール?」
木目の美しい小箱。
蓋を開けると、小さな歯車がきらりと光る。
「はい。それに、小物入れにもなります。前に差し上げたピアスとか、外したときに入れてもらえたら」
少し照れたように、セナが笑う。
その笑顔は、普段の彼からは想像できないほど柔らかかった。
「ありがとう。大事にするね」
言葉にすると、胸の奥がふっと温かくなる。
今日だけで、どれほどの“想い”を受け取っただろう。
形ある贈り物も、
言葉も、
気遣いも、
全部が胸に積もっていく。
(こんな誕生日、初めてかもしれない)
誰かに囲まれ、
誰かに必要とされ、
誰かに大切にされていると、はっきり実感できる夜。
――幸せだ。
静かにそう思いながら、私はオルゴールをそっと胸に抱きしめた。



