騎士団の門をくぐった瞬間、銀髪が光を弾いた。
水色の瞳は人混みの中でもひときわ目立つ。
「セナ」
「お嬢様、おはようございます。
先ほど、オーウェン団長が慌てているのを見かけましたが……また、殿下ですか?」
「……そう」
「やはり」
セナは小さく苦笑した。
“またか”という諦めと、“大丈夫ですか”という気遣いが混ざった表情だ。
「とんでもないもの、よこされたの」
「何ですか?」
「王妃教育の招待状」
「……それはまた……」
一拍置いて、真顔で告げる。
「ご愁傷様です」
「そこは、もう少し別の言い方あるよね!?」
思わず突っ込んでしまった。
その時――
「あ、お嬢さまー! おはよう!」
背後から勢いよく抱きつかれた。
黒髪に紅い瞳。
「おはよう、テオ」
「またお前は……」
セナが心底呆れたようにため息をつく。
「ねえ、何の話?」
私の肩に顎を乗せるようにして、テオが顔を近づけてくる。
くすぐったい。
「王妃教育」
「なに、それ」
「王妃としての礼儀作法とか、振る舞いとか……」
「違う違う」
テオはぶんぶんと首を振った。
「なんで、婚約破棄じゃないの!?」
「……国民の不安を煽るから、そんな簡単にできないみたい」
「それで、王妃教育?」
テオは一瞬だけ黙り、そして真顔になった。
「あの粘着質王子、逃がす気、まったくないじゃん」
「テオ。言い方」
……粘着質って。
否定しきれない自分が悔しい。
水色の瞳は人混みの中でもひときわ目立つ。
「セナ」
「お嬢様、おはようございます。
先ほど、オーウェン団長が慌てているのを見かけましたが……また、殿下ですか?」
「……そう」
「やはり」
セナは小さく苦笑した。
“またか”という諦めと、“大丈夫ですか”という気遣いが混ざった表情だ。
「とんでもないもの、よこされたの」
「何ですか?」
「王妃教育の招待状」
「……それはまた……」
一拍置いて、真顔で告げる。
「ご愁傷様です」
「そこは、もう少し別の言い方あるよね!?」
思わず突っ込んでしまった。
その時――
「あ、お嬢さまー! おはよう!」
背後から勢いよく抱きつかれた。
黒髪に紅い瞳。
「おはよう、テオ」
「またお前は……」
セナが心底呆れたようにため息をつく。
「ねえ、何の話?」
私の肩に顎を乗せるようにして、テオが顔を近づけてくる。
くすぐったい。
「王妃教育」
「なに、それ」
「王妃としての礼儀作法とか、振る舞いとか……」
「違う違う」
テオはぶんぶんと首を振った。
「なんで、婚約破棄じゃないの!?」
「……国民の不安を煽るから、そんな簡単にできないみたい」
「それで、王妃教育?」
テオは一瞬だけ黙り、そして真顔になった。
「あの粘着質王子、逃がす気、まったくないじゃん」
「テオ。言い方」
……粘着質って。
否定しきれない自分が悔しい。



