部屋に戻ると、アリスが手際よく着替えを手伝ってくれる。
――はぁ。
すっきりした。
ルイのドレスは本当に素敵だったけれど、
あれは“魅せるため”の服だ。
食事をするには、正直向いていない。
動きやすい服に着替えた、そのとき。
コンコン、と控えめなノックの音。
「ティアナ……入ってもいいかい?」
ディランの声だ。
「はい」
入れ替わるように、アリスが一礼して部屋を出ていく。
私は小さく息を吐き、椅子に腰掛けた。
「……まだいらしたんですね。
てっきり、もうお帰りになったのかと」
「帰るわけないだろ」
即答だった。
「君との時間が、まるで足りない」
あまりにも真顔で言われて、言葉に詰まる。
「……ドレス、脱いだのか」
「はい」
「綺麗だったな。本当に」
少し間を置いて、穏やかに続ける。
「今も、十分すぎるほど綺麗だが」
「……よくもまあ、そんな言葉がすらすらと」
誤魔化すように言うと、ディランは小さく笑った。
「君への想いが、勝手に溢れてくるんだ」
ディランの手が、ゆっくりと伸びる。
――けれど、私に触れる前で、ぴたりと止まった。
「……君が、触れたいと思うまで待つつもりだった」
低く、静かな声。
「だが……中々、辛いものだな」
そう言って、手を下ろそうとする。
その瞬間、
考えるより先に、体が動いた。
――ぎゅっ。
下ろされかけたその手を、思わず掴んでいた。
(……あ)
自分の行動に、心臓が跳ねる。
触れた掌は、驚くほど温かくて、
もう、離したくないと思ってしまった。
――はぁ。
すっきりした。
ルイのドレスは本当に素敵だったけれど、
あれは“魅せるため”の服だ。
食事をするには、正直向いていない。
動きやすい服に着替えた、そのとき。
コンコン、と控えめなノックの音。
「ティアナ……入ってもいいかい?」
ディランの声だ。
「はい」
入れ替わるように、アリスが一礼して部屋を出ていく。
私は小さく息を吐き、椅子に腰掛けた。
「……まだいらしたんですね。
てっきり、もうお帰りになったのかと」
「帰るわけないだろ」
即答だった。
「君との時間が、まるで足りない」
あまりにも真顔で言われて、言葉に詰まる。
「……ドレス、脱いだのか」
「はい」
「綺麗だったな。本当に」
少し間を置いて、穏やかに続ける。
「今も、十分すぎるほど綺麗だが」
「……よくもまあ、そんな言葉がすらすらと」
誤魔化すように言うと、ディランは小さく笑った。
「君への想いが、勝手に溢れてくるんだ」
ディランの手が、ゆっくりと伸びる。
――けれど、私に触れる前で、ぴたりと止まった。
「……君が、触れたいと思うまで待つつもりだった」
低く、静かな声。
「だが……中々、辛いものだな」
そう言って、手を下ろそうとする。
その瞬間、
考えるより先に、体が動いた。
――ぎゅっ。
下ろされかけたその手を、思わず掴んでいた。
(……あ)
自分の行動に、心臓が跳ねる。
触れた掌は、驚くほど温かくて、
もう、離したくないと思ってしまった。



