「お嬢様」
「なに?」
「いま共鳴の力のこと考えてましたね」
「うん。最近使ってないから、感覚忘れそうで」
そういう私に、セナがふっと微笑む。
その笑顔に、少しだけ胸の奥が温かくなる。
「では、手を出して」
「こう?」
セナが私の背後にまわる。
静かな呼吸が背中越しに伝わり、自然と心が落ち着く。
「我が剣に従え、アクアマリン」
小さく呟くと、セナの魔宝石が淡く光る。
セナは私の手を優しく誘導し、剣を一緒に握らせる。
「合わせて」
「うん」
ゆっくりと、私たちの魔力が一つに重なる。
剣を一振りすると、氷の光が夜空に散り、まるで星屑が溶けて舞い落ちるように煌めく。
心がふわっと温かくなる、眩しくて甘い瞬間。
「できましたね」
「うん、きれい…」
「ティアナが、素敵な一年を過ごせますように」
耳元で囁かれたその甘い言葉に、思わず肩がぞくぞくしてくすぐったくなる。
自然と頬が熱くなり、胸の奥がぎゅっと幸せに締め付けられた。
私はセナをみる。
「セナも、素敵な一年になりますように」
私のその声に、セナは少し頬を赤くして笑う。
その笑顔が、夜空に輝く光よりも柔らかかった。



