駅に降り立つと、
「やあ」
眩しい金髪と、余裕の笑顔が視界に入った。
「……げ、なんでいるの」
「ディラン」
「迎えに来た」
「必要ないんだけど」
即座に噛みつくテオに、ディランは肩をすくめる。
「俺の婚約者を、連れ回すからだ」
「いい加減、婚約破棄しないかな」
「するわけがない」
低く、静かな声。
二人の間に、ぴり、と空気が張りつめる。
剣を抜いていないだけで、ほとんど睨み合いだった。
……はあ。
私は小さく息を吐く。
「とりあえず、帰りましょうか」
「そうだな」
「……うん」
そう言った瞬間、
左右から、同時に手が伸びてくる。
……本当にもう。
「一人で歩けます」
ぴしっと言い切ると、二人とも一瞬だけ動きを止めた。
「私は誰かの“取り合いの戦利品”じゃないの」
静かに、でもはっきり。
「帰るわよ。——二人とも」
そう告げて、私は一歩前に出る。
ディランとテオは、一瞬だけ互いを見て——
同時に、ふっと息を吐いた。
「はーい」
「ああ」
二人が返事をするが、諦めと納得が混じった顔。
二人ともそれ以上は何も言わず、
私の少し後ろを歩き出す。
……珍しい光景だ。
さっきまで火花を散らしていたのに、
今は肩を並べている。
背中に感じる気配は二つ。
だけど、不思議と重たくはなかった。
夕風が頬を撫でる。
一歩ごとに、
今日の穏やかな時間が胸の奥で静かにほどけていった。
「やあ」
眩しい金髪と、余裕の笑顔が視界に入った。
「……げ、なんでいるの」
「ディラン」
「迎えに来た」
「必要ないんだけど」
即座に噛みつくテオに、ディランは肩をすくめる。
「俺の婚約者を、連れ回すからだ」
「いい加減、婚約破棄しないかな」
「するわけがない」
低く、静かな声。
二人の間に、ぴり、と空気が張りつめる。
剣を抜いていないだけで、ほとんど睨み合いだった。
……はあ。
私は小さく息を吐く。
「とりあえず、帰りましょうか」
「そうだな」
「……うん」
そう言った瞬間、
左右から、同時に手が伸びてくる。
……本当にもう。
「一人で歩けます」
ぴしっと言い切ると、二人とも一瞬だけ動きを止めた。
「私は誰かの“取り合いの戦利品”じゃないの」
静かに、でもはっきり。
「帰るわよ。——二人とも」
そう告げて、私は一歩前に出る。
ディランとテオは、一瞬だけ互いを見て——
同時に、ふっと息を吐いた。
「はーい」
「ああ」
二人が返事をするが、諦めと納得が混じった顔。
二人ともそれ以上は何も言わず、
私の少し後ろを歩き出す。
……珍しい光景だ。
さっきまで火花を散らしていたのに、
今は肩を並べている。
背中に感じる気配は二つ。
だけど、不思議と重たくはなかった。
夕風が頬を撫でる。
一歩ごとに、
今日の穏やかな時間が胸の奥で静かにほどけていった。



