ティアナside
――さすが、テオだ。
胸の奥で、静かに息を吐く。
無茶はしていたけれど、
それでも最後まで踏み切れる強さが、確かにあった。
「なかなか、いい剣捌きだな。
俺だったら……あの場合は、もう半歩踏み込む」
横で、真剣な顔をして分析を始める。
……この人、本当にテオを倒す前提で見ているのだろうか。
思わず苦笑していると、
闘技場のテオがこちらに気づいた。
ひらりと、軽く手を振る。
「ティアナ」
「なんですか?」
「……出かけるのか?」
少しだけ、間があった。
「そうなりますね。
約束ですから」
そう答えた瞬間、
隣の気配がふわりと変わった。
さっきまで普通だった空気が、
ほんの少しだけ――甘く、拗ねた色を帯びる。
「……ティアナ」
呼ばれた声が、いつもより低い。
でも、どこか不器用に揺れている。
「なら、条件がある」
「条件?」
「君がテオと出かけるなら……俺とも行く。
いや、行きたい。ちゃんと、時間を作ってほしい」
少し早口で、でも真剣で。
普段の余裕がどこかへ消えている。
「俺だって……君と過ごしたいんだ。
このまま“テオにだけ”先を越されるのは、嫌だ」
視線をそらすようにして言うその姿が、
どうしようもなく可愛い。
……そんな顔されたら、断れない。
「いいですよ」
そう答えると、
彼は一瞬だけ目を見開き――
「……本当に?」
その声が、ほんの少しだけ弾んでいた。
「ええ」
そう言うと、
彼は短く息を吐き、肩の力がふにゃりと抜ける。
「……よし。
じゃあ、楽しみにしてる」
その横顔は、いつもより柔らかくて、
どこか嬉しそうで――
胸の奥がじんわり温かくなる。
私はもう一度、闘技場へ視線を戻した。
今日は、
思った以上に――甘くて賑やかな一日になりそうだ。
――さすが、テオだ。
胸の奥で、静かに息を吐く。
無茶はしていたけれど、
それでも最後まで踏み切れる強さが、確かにあった。
「なかなか、いい剣捌きだな。
俺だったら……あの場合は、もう半歩踏み込む」
横で、真剣な顔をして分析を始める。
……この人、本当にテオを倒す前提で見ているのだろうか。
思わず苦笑していると、
闘技場のテオがこちらに気づいた。
ひらりと、軽く手を振る。
「ティアナ」
「なんですか?」
「……出かけるのか?」
少しだけ、間があった。
「そうなりますね。
約束ですから」
そう答えた瞬間、
隣の気配がふわりと変わった。
さっきまで普通だった空気が、
ほんの少しだけ――甘く、拗ねた色を帯びる。
「……ティアナ」
呼ばれた声が、いつもより低い。
でも、どこか不器用に揺れている。
「なら、条件がある」
「条件?」
「君がテオと出かけるなら……俺とも行く。
いや、行きたい。ちゃんと、時間を作ってほしい」
少し早口で、でも真剣で。
普段の余裕がどこかへ消えている。
「俺だって……君と過ごしたいんだ。
このまま“テオにだけ”先を越されるのは、嫌だ」
視線をそらすようにして言うその姿が、
どうしようもなく可愛い。
……そんな顔されたら、断れない。
「いいですよ」
そう答えると、
彼は一瞬だけ目を見開き――
「……本当に?」
その声が、ほんの少しだけ弾んでいた。
「ええ」
そう言うと、
彼は短く息を吐き、肩の力がふにゃりと抜ける。
「……よし。
じゃあ、楽しみにしてる」
その横顔は、いつもより柔らかくて、
どこか嬉しそうで――
胸の奥がじんわり温かくなる。
私はもう一度、闘技場へ視線を戻した。
今日は、
思った以上に――甘くて賑やかな一日になりそうだ。



