刃と刃がぶつかる。
金属音が、空気を切り裂いた。
一撃。
二撃。
三撃――
互いに退かない。
エリックの剣は重く、正確で、
一太刀ごとにこちらの体勢を削りにくる。
……強い。
腕が痺れる。
踏み込みも、少しずつ重くなってきた。
それでも。
俺の剣は止まらない。
スピネルが熱を帯びていく。
感情に呼応して、深紅の魔力がさらに濃く染まる。
「っ……!」
エリックが間合いを詰め、
鋭い連撃を放ってくる。
受ける。
弾く。
かわしきれず、火花が散る。
一瞬、視界が揺れた。
その隙を、エリックは逃さない。
重い一撃。
剣が、弾かれた。
――まずい。
そう思った、その瞬間。
胸の奥で、何かがはっきりと形を持つ。
負けたくない。
勝ちたい。
理由は、たったひとつ。
お嬢様との約束だ。
「――っ!」
俺は、迷わず踏み込んだ。
防御を捨て、
スピネルの刃を、一直線に突き出す。
深紅の軌跡が走る。
エリックの剣が、わずかに遅れた。
次の瞬間――
「……ま、参った」
確かに、そう聞こえた。
エリックの声だ。
そして――
「うおおおお!!」
「テオすごいぞ!!」
「よくやった!!」
歓声が、闘技場を包み込む。
さっきまでのざわめきとは、まるで別物だった。
俺は剣を下ろし、
目の前に立つエリックを見る。
……終わったんだ。
お嬢様をみる、ひらりと手を振るといつもの柔らかい笑顔を向ける。
可愛い…。
ただ隣にいるやつが気に入らないが。
そして俺は目の前のエリックに無意識に、手を差し出していた。
正直、振り払われるかもしれないと思った。
けど。
エリックは、一切の迷いなくその手を取った。
強く、しっかりと。
「俺の負けだ」
はっきりとした声。
「テオ……いや、テオさん」
……さん?
「あなたの剣は、美しい」
「……は?」
理解が追いつかない。
「いや、なんだあれは!
あんなに鋭くて、紅い斬撃――
綺麗すぎるだろ!」
興奮したように一気にまくしたてる。
「……は?」
思わず、もう一度聞き返した。
「テオさん!!
俺を――あなたの弟子にしてください!!」
「はああぁぁ!?」
声が、裏返った。
……勝ったのに。
なんでこうなるんだ。
周囲の歓声は、
いつの間にか笑い混じりのざわめきに変わっていた。
俺は、
剣を持ったまま、ただ固まるしかなかった。
金属音が、空気を切り裂いた。
一撃。
二撃。
三撃――
互いに退かない。
エリックの剣は重く、正確で、
一太刀ごとにこちらの体勢を削りにくる。
……強い。
腕が痺れる。
踏み込みも、少しずつ重くなってきた。
それでも。
俺の剣は止まらない。
スピネルが熱を帯びていく。
感情に呼応して、深紅の魔力がさらに濃く染まる。
「っ……!」
エリックが間合いを詰め、
鋭い連撃を放ってくる。
受ける。
弾く。
かわしきれず、火花が散る。
一瞬、視界が揺れた。
その隙を、エリックは逃さない。
重い一撃。
剣が、弾かれた。
――まずい。
そう思った、その瞬間。
胸の奥で、何かがはっきりと形を持つ。
負けたくない。
勝ちたい。
理由は、たったひとつ。
お嬢様との約束だ。
「――っ!」
俺は、迷わず踏み込んだ。
防御を捨て、
スピネルの刃を、一直線に突き出す。
深紅の軌跡が走る。
エリックの剣が、わずかに遅れた。
次の瞬間――
「……ま、参った」
確かに、そう聞こえた。
エリックの声だ。
そして――
「うおおおお!!」
「テオすごいぞ!!」
「よくやった!!」
歓声が、闘技場を包み込む。
さっきまでのざわめきとは、まるで別物だった。
俺は剣を下ろし、
目の前に立つエリックを見る。
……終わったんだ。
お嬢様をみる、ひらりと手を振るといつもの柔らかい笑顔を向ける。
可愛い…。
ただ隣にいるやつが気に入らないが。
そして俺は目の前のエリックに無意識に、手を差し出していた。
正直、振り払われるかもしれないと思った。
けど。
エリックは、一切の迷いなくその手を取った。
強く、しっかりと。
「俺の負けだ」
はっきりとした声。
「テオ……いや、テオさん」
……さん?
「あなたの剣は、美しい」
「……は?」
理解が追いつかない。
「いや、なんだあれは!
あんなに鋭くて、紅い斬撃――
綺麗すぎるだろ!」
興奮したように一気にまくしたてる。
「……は?」
思わず、もう一度聞き返した。
「テオさん!!
俺を――あなたの弟子にしてください!!」
「はああぁぁ!?」
声が、裏返った。
……勝ったのに。
なんでこうなるんだ。
周囲の歓声は、
いつの間にか笑い混じりのざわめきに変わっていた。
俺は、
剣を持ったまま、ただ固まるしかなかった。



