隅の方では、テオが騎士団員たちに囲まれていた。
「テオ、お前も頑張れよ!」
わしゃわしゃと頭を撫でられ、髪がぐしゃぐしゃになっている。
「そうだ! 最年少の実力、見せたれ!」
「ほんと、やめて。うっとうしい」
そう言いながらも、抵抗はしない。
……意外と、すっかり馴染んでいる。
ふと、テオと目が合った。
「お嬢さまぁ」
「テオ、よろしくね」
「もちろん」
にっと笑って、親指を立てる。
「お嬢様のお願いだもん。任せて」
そして、小さく、けれどはっきりと。
「俺、絶対勝つよ」
「頼もしいな」
そう言って笑うと、テオがこそっと距離を詰め、耳元で囁いた。
「……ねぇ
俺が勝ったら、ご褒美くれる?」
「ご褒美?」
「うん。
お嬢様との時間」
少し首を傾げ、探るような紅い瞳。
「……どう?」
「いいよ」
即答すると、テオは一瞬きょとんとして――
「……やった」
にやりと口元を歪めた。
「その約束、忘れないでね」
紅い瞳が、まっすぐに私を映す。
◇
日が落ち、ランプが部屋を柔らかく照らす。
《魔宝石公式模擬決闘》。
必要書類をすべてまとめ、王国へ提出する予定だ。
「ユウリ、これを」
差し出した書類を、ユウリは丁寧に受け取る。
「かしこまりました。
王国に回しておきます」
「お願いね」
「……いよいよ、ですね」
その一言に、私は小さく息を吐いた。
「うん。
長年の――野望だね」
ユウリが淹れてくれた紅茶に口をつける。
いつもと変わらない味なのに、胸の奥だけが静かに熱を帯びていた。
「テオ、お前も頑張れよ!」
わしゃわしゃと頭を撫でられ、髪がぐしゃぐしゃになっている。
「そうだ! 最年少の実力、見せたれ!」
「ほんと、やめて。うっとうしい」
そう言いながらも、抵抗はしない。
……意外と、すっかり馴染んでいる。
ふと、テオと目が合った。
「お嬢さまぁ」
「テオ、よろしくね」
「もちろん」
にっと笑って、親指を立てる。
「お嬢様のお願いだもん。任せて」
そして、小さく、けれどはっきりと。
「俺、絶対勝つよ」
「頼もしいな」
そう言って笑うと、テオがこそっと距離を詰め、耳元で囁いた。
「……ねぇ
俺が勝ったら、ご褒美くれる?」
「ご褒美?」
「うん。
お嬢様との時間」
少し首を傾げ、探るような紅い瞳。
「……どう?」
「いいよ」
即答すると、テオは一瞬きょとんとして――
「……やった」
にやりと口元を歪めた。
「その約束、忘れないでね」
紅い瞳が、まっすぐに私を映す。
◇
日が落ち、ランプが部屋を柔らかく照らす。
《魔宝石公式模擬決闘》。
必要書類をすべてまとめ、王国へ提出する予定だ。
「ユウリ、これを」
差し出した書類を、ユウリは丁寧に受け取る。
「かしこまりました。
王国に回しておきます」
「お願いね」
「……いよいよ、ですね」
その一言に、私は小さく息を吐いた。
「うん。
長年の――野望だね」
ユウリが淹れてくれた紅茶に口をつける。
いつもと変わらない味なのに、胸の奥だけが静かに熱を帯びていた。



