「来る!」
正面から魔宝獣が跳躍する。
私は踏み込み、蒼い刃を横に振る。
「蒼き風よ――裂け!」
斬撃は獣を吹き飛ばす“壁”となり、
その反動で体勢が揺らいだ瞬間――
「今」
テオが私の影を踏み、背後へ滑り込む。
「紅く鋭く――穿て、スピネル」
紅い拘束が獣の四肢を縛り、
次の瞬間、魔宝石だけを正確に貫いた。
断末魔はない。
崩れ落ちる音だけが、冷たく響く。
だが終わりではない。
左右から、同時に2体。
私は前に出て、あえて大きく魔力を放つ。
蒼い風が渦を巻き、視界を奪う。
――囮。
「右、任せたよ」
「了解」
背後から、風を切る音。
テオが完全に気配を消し、一体の背後へ回り込む。
拘束。
断絶。
私は残る一体へ踏み込み、至近距離で刃を突き立てる。
魔宝石が砕け、獣が霧散する。
一瞬、静寂。
令嬢たちの息を呑む音が、遅れて届く。
……視線。
上だ。
ベランダから、すべてを見下ろす目。
――陛下。
私は刃を下ろさず、あえてその視線に応える。
見せたわ。
この力は、
あなたの“管理下”に収まるものじゃない。
背後で、テオが低く笑う。
「……いい顔してるよ、お嬢さま」
戦いは、まだ終わっていなかった。
正面から魔宝獣が跳躍する。
私は踏み込み、蒼い刃を横に振る。
「蒼き風よ――裂け!」
斬撃は獣を吹き飛ばす“壁”となり、
その反動で体勢が揺らいだ瞬間――
「今」
テオが私の影を踏み、背後へ滑り込む。
「紅く鋭く――穿て、スピネル」
紅い拘束が獣の四肢を縛り、
次の瞬間、魔宝石だけを正確に貫いた。
断末魔はない。
崩れ落ちる音だけが、冷たく響く。
だが終わりではない。
左右から、同時に2体。
私は前に出て、あえて大きく魔力を放つ。
蒼い風が渦を巻き、視界を奪う。
――囮。
「右、任せたよ」
「了解」
背後から、風を切る音。
テオが完全に気配を消し、一体の背後へ回り込む。
拘束。
断絶。
私は残る一体へ踏み込み、至近距離で刃を突き立てる。
魔宝石が砕け、獣が霧散する。
一瞬、静寂。
令嬢たちの息を呑む音が、遅れて届く。
……視線。
上だ。
ベランダから、すべてを見下ろす目。
――陛下。
私は刃を下ろさず、あえてその視線に応える。
見せたわ。
この力は、
あなたの“管理下”に収まるものじゃない。
背後で、テオが低く笑う。
「……いい顔してるよ、お嬢さま」
戦いは、まだ終わっていなかった。



