第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない


後日。
第3騎士団の全員を招集した。

突然の呼び出しに、場はざわついている。
その中で、ルーク団長が一歩前に出て口を開いた。

「集まってくれてありがとう。今日は大事な話がある。
 ――では、お嬢様」

にやりと笑い、私は皆の前に立つ。

「実は、2週間後。
 第2騎士団と、魔宝剣を使用しての模擬戦を行うことになりました」

「決闘?」

ざわり、と声が上がる。

「静かに」

セナが低く嗜めると、空気が一気に引き締まった。

「私はずっと、不思議に思っていたの。
 同じ騎士団員なのに、仕事量も責任も変わらない。
 それなのに、身分の違いだけで、給与や寮に差があることを」

私は一人ひとりの顔を見る。

「本来なら、私が一人で解決すべき問題です。
 でも――今回は、皆の力を借りたい」

声に、自然と力がこもる。

「いつまでも、第ニ騎士団に見下される必要なんてない!
 不遇な扱いに、ここで声を上げるべきだと私は思います」

一拍置いて。

「今回の模擬戦に勝てば、
 一つだけ願いを叶えると、お父様に約束を取り付けました」

「私は――
 第2騎士団と第3騎士団の、統合を求めます」

一瞬の静寂のあと。

「そうだ!」

「さすがお嬢様だ!!」

「やってやろうぜ!!」

気合いに満ちた声が、次々と上がった。

その熱気に包まれながら、私は胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
――この人たちとなら、きっと勝てる。