……なぜ、こうなったのだろう。
気づけば目の前には紅茶とケーキが並び、
アラン殿下は腕を組んで真剣な顔でこちらを見つめていた。
「さあ、ティアナ嬢。弟の好きなものを教えてくれ。プレゼントしたい」
「……あの。そういうことではない気がするのですが」
「いや、今さらだ」
即答だった。
「あれは違うんだ、などと言えるか? あいつは信じない。だいぶ、捻くれているからな」
(……それ、誰のせいでしょう)
喉まで出かかった言葉を飲み込む。
「……わかりました」
観念して答えると、アラン殿下はぱっと表情を明るくした。
「助かる」
その切り替えの早さに、思わず呆れる。
「ところで、ティアナ嬢。君の王妃教育は、いつまでだ?」
「あと……2週間ほどでしょうか」
「そうか」
何かを考えるように顎に手を当てる。
「退屈だろう?」
「ええ」
即答。
「発狂したくなるほどに」
一瞬の静寂。
そして、アラン殿下が吹き出した。
「ははっ、正直だな」
その笑いは、王族の仮面を外した、素のものだった。
「なら、丁度いい」
意味深な言い方に、背中を嫌な予感が駆け上がる。
「……何が、でしょうか?」
アラン殿下は、まるで重大な決断を下すように真剣な顔で言った。
「君には、少し付き合ってもらうことになるかもしれん」
――ほら来た。
(……絶対に面倒なやつだ)
胸の奥で、確信だけが静かに積もっていく。
気づけば目の前には紅茶とケーキが並び、
アラン殿下は腕を組んで真剣な顔でこちらを見つめていた。
「さあ、ティアナ嬢。弟の好きなものを教えてくれ。プレゼントしたい」
「……あの。そういうことではない気がするのですが」
「いや、今さらだ」
即答だった。
「あれは違うんだ、などと言えるか? あいつは信じない。だいぶ、捻くれているからな」
(……それ、誰のせいでしょう)
喉まで出かかった言葉を飲み込む。
「……わかりました」
観念して答えると、アラン殿下はぱっと表情を明るくした。
「助かる」
その切り替えの早さに、思わず呆れる。
「ところで、ティアナ嬢。君の王妃教育は、いつまでだ?」
「あと……2週間ほどでしょうか」
「そうか」
何かを考えるように顎に手を当てる。
「退屈だろう?」
「ええ」
即答。
「発狂したくなるほどに」
一瞬の静寂。
そして、アラン殿下が吹き出した。
「ははっ、正直だな」
その笑いは、王族の仮面を外した、素のものだった。
「なら、丁度いい」
意味深な言い方に、背中を嫌な予感が駆け上がる。
「……何が、でしょうか?」
アラン殿下は、まるで重大な決断を下すように真剣な顔で言った。
「君には、少し付き合ってもらうことになるかもしれん」
――ほら来た。
(……絶対に面倒なやつだ)
胸の奥で、確信だけが静かに積もっていく。



