「……だから、可哀想だと言った」
アラン殿下は淡々と続けた。
その声音には、同情ではなく、長い年月を抱えた悔恨が滲んでいる。
「その瞳の色を持たなければ、もっと自由に過ごせたはずだった。誰かの重圧に耐える必要なんて、本当はなかったのに――そう思った」
胸の奥がじんと熱くなる。
「そ、それは……」
言葉を探す私に、アラン殿下は静かに首を振った。
「心から、心配していたんだ」
……やはり。
胸の奥で、何かがすとんと落ちた。
「この前、別荘地にディランと行きました」
そう告げると、アラン殿下の瞳がわずかに揺れた。
「木のそばで…箱を見つけました」
「……やっと、か」
短く、安堵の息が漏れる。
「やはり、アラン殿下が用意されたものだったのですね」
「ああ」
ゆっくりと頷く。
「あいつが……心から信頼できる誰かと、一緒にやる日が来ればいいと思っていた。だが、両親が亡くなってからは、あそこへ行くこともなくなってな」
少しだけ、目を伏せる。
「……最後の箱の中身は、空っぽでした」
その言葉を告げた瞬間。
アラン殿下は驚いたように息を呑み、
そして――小さく、柔らかく微笑んだ。
「そうか」
穏やかな声。
ふと視線を落とし、何かを噛みしめるように目を閉じる。
アラン殿下は淡々と続けた。
その声音には、同情ではなく、長い年月を抱えた悔恨が滲んでいる。
「その瞳の色を持たなければ、もっと自由に過ごせたはずだった。誰かの重圧に耐える必要なんて、本当はなかったのに――そう思った」
胸の奥がじんと熱くなる。
「そ、それは……」
言葉を探す私に、アラン殿下は静かに首を振った。
「心から、心配していたんだ」
……やはり。
胸の奥で、何かがすとんと落ちた。
「この前、別荘地にディランと行きました」
そう告げると、アラン殿下の瞳がわずかに揺れた。
「木のそばで…箱を見つけました」
「……やっと、か」
短く、安堵の息が漏れる。
「やはり、アラン殿下が用意されたものだったのですね」
「ああ」
ゆっくりと頷く。
「あいつが……心から信頼できる誰かと、一緒にやる日が来ればいいと思っていた。だが、両親が亡くなってからは、あそこへ行くこともなくなってな」
少しだけ、目を伏せる。
「……最後の箱の中身は、空っぽでした」
その言葉を告げた瞬間。
アラン殿下は驚いたように息を呑み、
そして――小さく、柔らかく微笑んだ。
「そうか」
穏やかな声。
ふと視線を落とし、何かを噛みしめるように目を閉じる。



