ディランは気にした様子もなく、ゆっくりとカップに口をつけた。
一口、喉を通る音まで聞こえそうなほど静かな時間。
そして、ふっと表情が緩む。
「……美味しいな」
「……本当ですか?」
「ああ。気持ちが、落ち着く」
その言い方があまりにも穏やかで、胸が少しだけ温かくなる。
「……心配だった」
低く、静かな声。
その一言に、胸の奥がきゅっとなる。
「陛下に呼ばれて、二人きりで試験をしたって聞いたとき」
一拍置いて、視線が深くなる。
「……何も、なかったか?」
私は一瞬だけ迷い、そして。
「はい」
しれっと嘘をついた。
ディランはじっと私を見つめる。
その目は、明らかに納得していない。
けれど。
「……そうか」
そう呟くと、ゆっくりと立ち上がり、私の横へ来る。
距離が近い。息が触れそう。
「……迷わず、剣で扉を斬り破って入ろうとした」
淡々とした声なのに、背筋がひやりとする。
「王子が、そんなことをしていいんですか」
「君が傷つくくらいなら」
視線が逸れない。
まっすぐで、揺らぎがない。
「王子なんて、やめてやるさ」
「また……そんなことを」
苦笑しながらも、胸の奥がざわつく。
そんなこと、言ってほしくないのに。
でも、言われると嬉しい自分もいて。
「君と向き合ってからだ」
エメラルドの瞳と目が合い、
心臓が跳ねる。
「こんなにも、自分の感情に正直でいられるようになったのは」
にこり、と優しく笑う。
その笑顔が、どうしようもなく甘い。
「それは……いいこと、ですかね」
「いいことだ」
迷いのない即答。
その目は、まるで“君がいるからだ”と語っているようで。
胸の奥が、じんわり熱くなる。
一口、喉を通る音まで聞こえそうなほど静かな時間。
そして、ふっと表情が緩む。
「……美味しいな」
「……本当ですか?」
「ああ。気持ちが、落ち着く」
その言い方があまりにも穏やかで、胸が少しだけ温かくなる。
「……心配だった」
低く、静かな声。
その一言に、胸の奥がきゅっとなる。
「陛下に呼ばれて、二人きりで試験をしたって聞いたとき」
一拍置いて、視線が深くなる。
「……何も、なかったか?」
私は一瞬だけ迷い、そして。
「はい」
しれっと嘘をついた。
ディランはじっと私を見つめる。
その目は、明らかに納得していない。
けれど。
「……そうか」
そう呟くと、ゆっくりと立ち上がり、私の横へ来る。
距離が近い。息が触れそう。
「……迷わず、剣で扉を斬り破って入ろうとした」
淡々とした声なのに、背筋がひやりとする。
「王子が、そんなことをしていいんですか」
「君が傷つくくらいなら」
視線が逸れない。
まっすぐで、揺らぎがない。
「王子なんて、やめてやるさ」
「また……そんなことを」
苦笑しながらも、胸の奥がざわつく。
そんなこと、言ってほしくないのに。
でも、言われると嬉しい自分もいて。
「君と向き合ってからだ」
エメラルドの瞳と目が合い、
心臓が跳ねる。
「こんなにも、自分の感情に正直でいられるようになったのは」
にこり、と優しく笑う。
その笑顔が、どうしようもなく甘い。
「それは……いいこと、ですかね」
「いいことだ」
迷いのない即答。
その目は、まるで“君がいるからだ”と語っているようで。
胸の奥が、じんわり熱くなる。



