「ところで……なんで、そんな格好を?」
「……言いたくないです」
即答すると、ディランは一度だけ瞬きをした。
「そうか」
あっさり引いた――と思ったのも束の間。
「分かった。俺に会いたくて、侍女の格好でやってきたんだな」
「……めでたいですね」
間髪入れずに切り捨てると、ディランは肩を揺らして笑った。
「冗談だよ」
軽く肩をすくめ、続ける。
「せっかく来たんだ。少し、付き合ってくれるだろ?」
そう言った直後――
ガチャリ。
鍵の閉まる音。
……しれっと、逃げ道を塞がれた。
(今、閉めたよね?普通に?)
私は、そのままソファに腰をおろし、ウィッグを外して脇に置く。
はらり、と髪が肩に落ちると、ディランの視線が一瞬だけ止まった気がした。
ディランも私の向かい側に腰掛けた。
私は冷め切った紅茶へ目を向ける。
「これ、私が飲みますね」
ポットから紅茶を注ぎ、ソーサーごと持ち上げようとした――その瞬間。
手首を、そっと掴まれた。
「だめだ」
ディランは、私の手を止めたまま低く言う。
「君が淹れてくれたんだろ。……俺のために」
「まあ、そうですが。もう飲み頃は過ぎてますし」
「関係ないさ」
迷いのない即答。
「君が俺を想って淹れた紅茶なら、たとえ毒が入っていたって飲む」
「……物騒なことを言わないでください」
眉をひそめると、ディランはふっと笑った。
掴んだ手は、驚くほど優しい力加減のまま離れない。
「……言いたくないです」
即答すると、ディランは一度だけ瞬きをした。
「そうか」
あっさり引いた――と思ったのも束の間。
「分かった。俺に会いたくて、侍女の格好でやってきたんだな」
「……めでたいですね」
間髪入れずに切り捨てると、ディランは肩を揺らして笑った。
「冗談だよ」
軽く肩をすくめ、続ける。
「せっかく来たんだ。少し、付き合ってくれるだろ?」
そう言った直後――
ガチャリ。
鍵の閉まる音。
……しれっと、逃げ道を塞がれた。
(今、閉めたよね?普通に?)
私は、そのままソファに腰をおろし、ウィッグを外して脇に置く。
はらり、と髪が肩に落ちると、ディランの視線が一瞬だけ止まった気がした。
ディランも私の向かい側に腰掛けた。
私は冷め切った紅茶へ目を向ける。
「これ、私が飲みますね」
ポットから紅茶を注ぎ、ソーサーごと持ち上げようとした――その瞬間。
手首を、そっと掴まれた。
「だめだ」
ディランは、私の手を止めたまま低く言う。
「君が淹れてくれたんだろ。……俺のために」
「まあ、そうですが。もう飲み頃は過ぎてますし」
「関係ないさ」
迷いのない即答。
「君が俺を想って淹れた紅茶なら、たとえ毒が入っていたって飲む」
「……物騒なことを言わないでください」
眉をひそめると、ディランはふっと笑った。
掴んだ手は、驚くほど優しい力加減のまま離れない。



