「そうですね。
まず――オリバー団長には」
私は箱をひとつ差し出した。
「高級な、特注の筋力強化用ダンベルを」
「……え?」
続けて、もう一つ。
「そしてエリック副団長には、こちら。
貴重な初版本です」
2人は箱と本を見比べ、それから揃ってこちらを見る。
「まずは、お二人に」
「い、いや……これは……」
オリバー団長は明らかに動揺していた。
“駄目だ”と思っているのは分かる。
――けれど、“欲しい”という気持ちが視線にだだ漏れだ。
エリック副団長の方を見ると、こちらも顔が引きつっている。
「……なぜ、これが」
「そちらも、探すのにかなり苦労しました。
よろしければ、お譲りします」
その一言に、2人は一瞬だけ視線を交わし――
そして、ぐっと品を受け取った。
「……分かりました。試合は受けましょう」
「私も、賛成です」
その瞬間。
ドタドタと音を立てて、部屋になだれ込んでくる第2騎士団の面々。
「ずるいですよ! 団長たちだけ!」
「そうだそうだ!」
「落ち着いてください」
私は軽く手を上げて制し、続ける。
「もう一つ。
第2騎士団が勝った場合には――」
一拍置いて。
「令嬢たちとの交流会を設けましょう」
次の瞬間。
「うそだろ!!」
「やったーーー!!」
「絶対勝ちますよーー!!」
一気に湧き上がる歓声。
……意外とノリがいい。
貴族出身者が多いとは聞いているが、
出会いの場には、相当飢えているらしい。
その様子を眺めていたセナが、小声で呟いた。
「……まさか。そんな条件で、本当にいいんですか」
「案外、そういうものだよ」
くつくつと喉を鳴らしながら、ルーク団長は笑う。
「人は理屈より、欲と夢に弱い」
その言葉に、私は苦笑した。
まず――オリバー団長には」
私は箱をひとつ差し出した。
「高級な、特注の筋力強化用ダンベルを」
「……え?」
続けて、もう一つ。
「そしてエリック副団長には、こちら。
貴重な初版本です」
2人は箱と本を見比べ、それから揃ってこちらを見る。
「まずは、お二人に」
「い、いや……これは……」
オリバー団長は明らかに動揺していた。
“駄目だ”と思っているのは分かる。
――けれど、“欲しい”という気持ちが視線にだだ漏れだ。
エリック副団長の方を見ると、こちらも顔が引きつっている。
「……なぜ、これが」
「そちらも、探すのにかなり苦労しました。
よろしければ、お譲りします」
その一言に、2人は一瞬だけ視線を交わし――
そして、ぐっと品を受け取った。
「……分かりました。試合は受けましょう」
「私も、賛成です」
その瞬間。
ドタドタと音を立てて、部屋になだれ込んでくる第2騎士団の面々。
「ずるいですよ! 団長たちだけ!」
「そうだそうだ!」
「落ち着いてください」
私は軽く手を上げて制し、続ける。
「もう一つ。
第2騎士団が勝った場合には――」
一拍置いて。
「令嬢たちとの交流会を設けましょう」
次の瞬間。
「うそだろ!!」
「やったーーー!!」
「絶対勝ちますよーー!!」
一気に湧き上がる歓声。
……意外とノリがいい。
貴族出身者が多いとは聞いているが、
出会いの場には、相当飢えているらしい。
その様子を眺めていたセナが、小声で呟いた。
「……まさか。そんな条件で、本当にいいんですか」
「案外、そういうものだよ」
くつくつと喉を鳴らしながら、ルーク団長は笑う。
「人は理屈より、欲と夢に弱い」
その言葉に、私は苦笑した。



