アリス、15歳。
ティアナ、12歳。
あの頃の私は、
すでに「選ばれる」ということの重さを知っていた。
私には兄が2人いる。
父は王国騎士団の人間で、
兄たちも当然のように試験を受けた。
魔宝石選定判定。
——だが、2人とも通らなかった。
透明なまま、
何の色も宿らず、
何の力も与えられなかった。
父は、露骨に落胆していた。
「仕方ない」と口では言いながら、
その背中は、明らかに失望していた。
母は、柔らかく笑って言った。
「そんなこともあるわ」
その言葉に、
兄たちは、どこか救われたような顔をしていた。
そして私は。
王国の侍女になるための試験を、
半ば当然のように受けさせられた。
——ついでに。
「試しに」と、
魔宝石選定判定も受けさせられた。
まさか、とは思った。
だが。
その宝石は、
ゆっくりと光を帯びた。
ムーンストーン。
淡く、静かな月の色。
父は、はっきりと喜んだ。
誇らしげに。
まるで、待ち望んでいたかのように。
けれど。
母は、笑わなかった。
兄たちも、目を伏せたままだった。
その時、私は初めて知った。
——選ばれることは、
必ずしも祝福ではないのだと。
誰かの期待であり、
誰かの失望であり、
誰かの居場所を奪うことでもあるのだと。
ティアナ、12歳。
あの頃の私は、
すでに「選ばれる」ということの重さを知っていた。
私には兄が2人いる。
父は王国騎士団の人間で、
兄たちも当然のように試験を受けた。
魔宝石選定判定。
——だが、2人とも通らなかった。
透明なまま、
何の色も宿らず、
何の力も与えられなかった。
父は、露骨に落胆していた。
「仕方ない」と口では言いながら、
その背中は、明らかに失望していた。
母は、柔らかく笑って言った。
「そんなこともあるわ」
その言葉に、
兄たちは、どこか救われたような顔をしていた。
そして私は。
王国の侍女になるための試験を、
半ば当然のように受けさせられた。
——ついでに。
「試しに」と、
魔宝石選定判定も受けさせられた。
まさか、とは思った。
だが。
その宝石は、
ゆっくりと光を帯びた。
ムーンストーン。
淡く、静かな月の色。
父は、はっきりと喜んだ。
誇らしげに。
まるで、待ち望んでいたかのように。
けれど。
母は、笑わなかった。
兄たちも、目を伏せたままだった。
その時、私は初めて知った。
——選ばれることは、
必ずしも祝福ではないのだと。
誰かの期待であり、
誰かの失望であり、
誰かの居場所を奪うことでもあるのだと。



