テオside
お嬢さまが王妃教育に行くことになった。
しかも1カ月もだ。
だから、俺も1カ月の有給休暇を取ることにした。
お嬢さまがいない屋敷にいても意味がない。セナに申請を出したら絶対に文句を言われるから、
ルーク団長に直接持っていった。
団長は第2・第3騎士団の統合で忙しいけど、
あっさり承諾してくれた。
お嬢さまの長年の夢を形にできたことも、
一緒に行った花畑でのデートも、
どれも宝物みたいな時間だった。
……どうしてあんなに可愛いんだろう。
王妃教育。
婚約なんて、破棄になればいいのに。
そんなことを思ってしまう自分がいる。
それでも、お嬢さまは嫌がりながらも逃げずに向かった。
だから俺も、そっと気配を消して後を追った。
少し離れた場所から、お嬢さまの様子を見守るために。
お嬢さまは完璧だった。
挨拶も、礼儀作法も、立ち居振る舞いも。
本当にかっこいい、俺の誇りだ。
なのに――あの女たちは、なんだ。陰でお嬢さまを笑い、
「魔女」なんて言葉まで使って。
その口を二度と開けなくしてやりたいほど腹が立った。
不味いお茶をわざと出し、
教科書を破り、
くだらない嫌がらせを積み重ねて。
でも、一番許せなかったのはそこじゃない。
花びらにガラス片を混ぜて、
お嬢さまの指先を傷つけたことだ。
その瞬間、視界が赤く染まった気がした。
出て行って止めなかったのは、
お嬢さまが必死に耐えてきた時間を俺の衝動で壊したくなかったからだ。
俺が動けば、全部終わる。
だから動かない。
お嬢さまのために。……
でも、本音を言えば。ああ、邪魔だ。
お嬢さまを曇らせるもの全部。
目に入るだけで苛立つ。
いっそ、この世界にお嬢さまと俺だけいればいいのに。
お嬢さまが王妃教育に行くことになった。
しかも1カ月もだ。
だから、俺も1カ月の有給休暇を取ることにした。
お嬢さまがいない屋敷にいても意味がない。セナに申請を出したら絶対に文句を言われるから、
ルーク団長に直接持っていった。
団長は第2・第3騎士団の統合で忙しいけど、
あっさり承諾してくれた。
お嬢さまの長年の夢を形にできたことも、
一緒に行った花畑でのデートも、
どれも宝物みたいな時間だった。
……どうしてあんなに可愛いんだろう。
王妃教育。
婚約なんて、破棄になればいいのに。
そんなことを思ってしまう自分がいる。
それでも、お嬢さまは嫌がりながらも逃げずに向かった。
だから俺も、そっと気配を消して後を追った。
少し離れた場所から、お嬢さまの様子を見守るために。
お嬢さまは完璧だった。
挨拶も、礼儀作法も、立ち居振る舞いも。
本当にかっこいい、俺の誇りだ。
なのに――あの女たちは、なんだ。陰でお嬢さまを笑い、
「魔女」なんて言葉まで使って。
その口を二度と開けなくしてやりたいほど腹が立った。
不味いお茶をわざと出し、
教科書を破り、
くだらない嫌がらせを積み重ねて。
でも、一番許せなかったのはそこじゃない。
花びらにガラス片を混ぜて、
お嬢さまの指先を傷つけたことだ。
その瞬間、視界が赤く染まった気がした。
出て行って止めなかったのは、
お嬢さまが必死に耐えてきた時間を俺の衝動で壊したくなかったからだ。
俺が動けば、全部終わる。
だから動かない。
お嬢さまのために。……
でも、本音を言えば。ああ、邪魔だ。
お嬢さまを曇らせるもの全部。
目に入るだけで苛立つ。
いっそ、この世界にお嬢さまと俺だけいればいいのに。



