「よし」
ディランが、ぱっと表情を変える。
「少し、散歩に出かけようか」
「……いいのですか?」
「ああ」
即答だった。
「このあと、授業の予定が……」
「サボろう」
「……え?」
「いいだろ。たまには」
そう言って、迷いなく手を取られる。
「あっ——」
抗議する間もなく、歩き出していた。
廊下を曲がり、人の気配が薄れる。
「ここが、図書室」
扉の向こうに広がる光景に、思わず息を呑む。
「……すごい。本の数ですね」
「だろ?」
少し得意げに笑うディラン。
「次は、食堂だ」
次々と案内されるたびに、
この城が、少しずつ“遠い場所”じゃなくなっていく。
人影が見えると、
ディランは自然に歩幅を変え、視線をずらし、
すっと私を導く。
……ああ。
これは、オーウェン団長が
頭を抱える理由もわかる。
でも。
それが、たまらなく楽しかった。
手を引かれ、
こっそり抜け出す、この時間。
胸の奥が、くすぐったくて——
少しだけ、甘い。
「普段は、ここから抜け出すんだ」
そう言って、ディランは少し高い場所へ足をかけた。
ためらいはない。
そのまま、ひらりと飛び降りる。
——軽い着地音。
そして、すぐにこちらを振り返り、腕を広げた。
「ティアナも」
一瞬だけ、高さを見下ろす。
「はい!」
私は、迷わず飛び降りた。
次の瞬間。
強い腕に、しっかりと抱き止められる。
「っ……」
息が、近い。
「思い切りがあるな」
苦笑まじりの声。
「信じてましたから」
そう言うと、ディランは一瞬だけ目を見開いて——
そして、どこか照れたように微笑んだ。
ディランが、ぱっと表情を変える。
「少し、散歩に出かけようか」
「……いいのですか?」
「ああ」
即答だった。
「このあと、授業の予定が……」
「サボろう」
「……え?」
「いいだろ。たまには」
そう言って、迷いなく手を取られる。
「あっ——」
抗議する間もなく、歩き出していた。
廊下を曲がり、人の気配が薄れる。
「ここが、図書室」
扉の向こうに広がる光景に、思わず息を呑む。
「……すごい。本の数ですね」
「だろ?」
少し得意げに笑うディラン。
「次は、食堂だ」
次々と案内されるたびに、
この城が、少しずつ“遠い場所”じゃなくなっていく。
人影が見えると、
ディランは自然に歩幅を変え、視線をずらし、
すっと私を導く。
……ああ。
これは、オーウェン団長が
頭を抱える理由もわかる。
でも。
それが、たまらなく楽しかった。
手を引かれ、
こっそり抜け出す、この時間。
胸の奥が、くすぐったくて——
少しだけ、甘い。
「普段は、ここから抜け出すんだ」
そう言って、ディランは少し高い場所へ足をかけた。
ためらいはない。
そのまま、ひらりと飛び降りる。
——軽い着地音。
そして、すぐにこちらを振り返り、腕を広げた。
「ティアナも」
一瞬だけ、高さを見下ろす。
「はい!」
私は、迷わず飛び降りた。
次の瞬間。
強い腕に、しっかりと抱き止められる。
「っ……」
息が、近い。
「思い切りがあるな」
苦笑まじりの声。
「信じてましたから」
そう言うと、ディランは一瞬だけ目を見開いて——
そして、どこか照れたように微笑んだ。



