「どうして氷の騎士様なの?」
そう私が聞くと、ミラは待ってましたと言わんばかりに身を乗り出す。
「いつも表情が変わらないですのよ。涼しげに剣を捌いてるって……! 最高にクールですよね!」
目が完全にハートになっている。
「へぇ〜……」
セナ…意外と顔に出るけどな?
そう思いながら目の前のミラをみる。
うっとりとしたまま、どこか遠くを見つめている。
「私のまわりの令嬢も、騎士団員との出会いがほしいってよく言っていますわ」
その言葉に、騎士団統合のときの賭けがふと脳裏をよぎる。
「……もしかしたら、その場を用意できるかもしれません」
「ほんとですの!?」
身を乗り出してくるミラに、思わず苦笑がこぼれた。
「……あまり期待はしないでくださいね」
言い終えたあと、ふたりのあいだに小さな沈黙が落ちる。
ミラはそれでも嬉しそうに微笑んでいて、その横顔がどこか眩しかった。



