そして私は、気持ちを切り替えて臨んだ。
——王妃教育。
無視されても、気にしない。
そう決めてから、視界が少しだけ広くなった気がした。
すると、一人の令嬢が、そっと声をかけてきた。
「私、伯爵家のミラと申します」
「こんにちは。
私はティアナです」
ミラは一度、小さく息を整えてから、頭を下げた。
「これまで……無視をするような態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」
「いえ」
短く返すと、ミラは顔を上げ、言葉を続ける。
「ローゼ様には、皆……立場上、逆らえなくて」
「お気になさらず」
そう返すと、ミラは少し困ったように微笑んだ。
「ローゼ様は、幼少の頃からディラン様の婚約者候補として、厳しい教育を受けてこられたそうです」
「それに……ディラン様のことを、本気で想っておられるようで」
「ですから、あなたのことを、よく思われなかったのでしょう」
「……そうなんですね」
ミラは、真っ直ぐに私を見る。
「貴女が、無視されても前を向いて立っている姿を見て……
自分がしてきたことの愚かさに、気づかされました」
「本当に、すみません」
そう言って、もう一度頭を下げる。
「もし……今からでもよろしければ、
私と、お友達になっていただけませんか?」
一瞬、言葉に詰まった。
「あ……ありがとうございます。
そんなふうに言っていただけて、嬉しいです」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう答えて、私はミラの差し出した手を取った。
その手は、少しだけ震えていたけれど——
とても、温かかった。
——王妃教育。
無視されても、気にしない。
そう決めてから、視界が少しだけ広くなった気がした。
すると、一人の令嬢が、そっと声をかけてきた。
「私、伯爵家のミラと申します」
「こんにちは。
私はティアナです」
ミラは一度、小さく息を整えてから、頭を下げた。
「これまで……無視をするような態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」
「いえ」
短く返すと、ミラは顔を上げ、言葉を続ける。
「ローゼ様には、皆……立場上、逆らえなくて」
「お気になさらず」
そう返すと、ミラは少し困ったように微笑んだ。
「ローゼ様は、幼少の頃からディラン様の婚約者候補として、厳しい教育を受けてこられたそうです」
「それに……ディラン様のことを、本気で想っておられるようで」
「ですから、あなたのことを、よく思われなかったのでしょう」
「……そうなんですね」
ミラは、真っ直ぐに私を見る。
「貴女が、無視されても前を向いて立っている姿を見て……
自分がしてきたことの愚かさに、気づかされました」
「本当に、すみません」
そう言って、もう一度頭を下げる。
「もし……今からでもよろしければ、
私と、お友達になっていただけませんか?」
一瞬、言葉に詰まった。
「あ……ありがとうございます。
そんなふうに言っていただけて、嬉しいです」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう答えて、私はミラの差し出した手を取った。
その手は、少しだけ震えていたけれど——
とても、温かかった。



