花を飾る授業の日。
今日もローゼと同じ班だった。
(……また同じ卓か。いやだな)
そう思いながらも、表情を崩さず、
花材の前に静かに立った。
今日の課題は「綺麗に花を花瓶に合わせて整える」こと。
花の色と花瓶を見る。
そそくさとローゼ達が花瓶を取っていくなか、余った花瓶を手に取る。
この色に合うのは…これかな。
一本の白い花を手に取り、
茎の長さを確かめるために指でなぞった。
その瞬間――
指先に、ちくりとした違和感。
(……ん?)
花びらの間に、何か硬いものが混じっている。
そっと花を開くと、細かいガラス片が紛れていた。
次の瞬間、茎をもつと指に痛みが走る。
「っ……」
反射的に手を引く。
指先に赤い線がにじむ。
(……ガラス。やっぱり)
背後で、押し殺した笑い声が聞こえた。
(最悪……)
でも、ここで顔をゆがめたら負けだ。
私は深く息を吸い、
痛む指をそっと布で押さえながら、
何事もなかったように茎をハサミで整えた。
「ティアナ嬢、どうかしましたか?」
教官が気づきかける。
私はすぐに微笑んだ。
「少し、とげがありました。大丈夫です」
声は落ち着いていた。
けれど、胸の奥はきゅっと縮む。
花瓶に花を挿すたびに、指先がじんと痛む。
そのたびに、心まで揺れるようだった。
(……もう、ほんとに……)
誰にも弱音を吐けない。
泣くわけにもいかない。
涼しい顔を保ちながら、
静かに花をいけ続けた。
けれど、心の奥では――
限界が、すぐそこまで来ていた。
今日もローゼと同じ班だった。
(……また同じ卓か。いやだな)
そう思いながらも、表情を崩さず、
花材の前に静かに立った。
今日の課題は「綺麗に花を花瓶に合わせて整える」こと。
花の色と花瓶を見る。
そそくさとローゼ達が花瓶を取っていくなか、余った花瓶を手に取る。
この色に合うのは…これかな。
一本の白い花を手に取り、
茎の長さを確かめるために指でなぞった。
その瞬間――
指先に、ちくりとした違和感。
(……ん?)
花びらの間に、何か硬いものが混じっている。
そっと花を開くと、細かいガラス片が紛れていた。
次の瞬間、茎をもつと指に痛みが走る。
「っ……」
反射的に手を引く。
指先に赤い線がにじむ。
(……ガラス。やっぱり)
背後で、押し殺した笑い声が聞こえた。
(最悪……)
でも、ここで顔をゆがめたら負けだ。
私は深く息を吸い、
痛む指をそっと布で押さえながら、
何事もなかったように茎をハサミで整えた。
「ティアナ嬢、どうかしましたか?」
教官が気づきかける。
私はすぐに微笑んだ。
「少し、とげがありました。大丈夫です」
声は落ち着いていた。
けれど、胸の奥はきゅっと縮む。
花瓶に花を挿すたびに、指先がじんと痛む。
そのたびに、心まで揺れるようだった。
(……もう、ほんとに……)
誰にも弱音を吐けない。
泣くわけにもいかない。
涼しい顔を保ちながら、
静かに花をいけ続けた。
けれど、心の奥では――
限界が、すぐそこまで来ていた。



