お茶会の授業中。
今日は、よりによってローゼと同じ卓。
(……いやだな)
そんなことを思いながらも、表情には出さない。
侍女たちが紅茶を配り始め、私の前にもそっとカップが置かれた。
丁寧な所作を意識して、カップを口元へ運ぶ。
――にがっ。
舌の奥がきゅっとしぼむほどの渋み。
明らかに普通じゃない。
(……毒じゃない。けど、これは)
クスクスと笑い声が漏れる。
(最悪)
でも、ここで顔をしかめたら負けだ。
私は何事もなかったように微笑み、
優雅にカップを置いた。
「とても深い味わいですね。ありがとうございます」
ローゼの取り巻きが、一瞬だけ固まる。
その反応を見て、私は心の中で小さく息をついた。
(よし。乗り切った)
そのあとも嫌がらせは続いた。
「ティアナ嬢、10ページから音読してください」
教官の声に従い、教科書を開く。
――破れている。
10ページだけ、綺麗に切り取られていた。
(嘘でしょ……また?)
視線を横に流すと、ローゼの取り巻きが口元を押さえて笑っている。
(……はいはい。そう来るよね)
でも、大丈夫。
この教科書は、もう何度も読み返した。
10ページの内容なら、全部覚えている。
大丈夫…。
私は、破れたページをそっと閉じ、
まるでそこに文字があるかのように、滑らかに読み上げ始めた。
声は落ち着ちつかせ、抑揚も完璧に。
教官が驚いたように目を見開く。
「そこまででいいですよ。…素晴らしい暗唱ですね」
ローゼの取り巻きたちは、今度こそ完全に黙り込んだ。
(ふぅ……よかった。乗り切った)
胸の奥は少し痛む。
でも、誰にも気づかれないように、静かに息を整えた。
今日は、よりによってローゼと同じ卓。
(……いやだな)
そんなことを思いながらも、表情には出さない。
侍女たちが紅茶を配り始め、私の前にもそっとカップが置かれた。
丁寧な所作を意識して、カップを口元へ運ぶ。
――にがっ。
舌の奥がきゅっとしぼむほどの渋み。
明らかに普通じゃない。
(……毒じゃない。けど、これは)
クスクスと笑い声が漏れる。
(最悪)
でも、ここで顔をしかめたら負けだ。
私は何事もなかったように微笑み、
優雅にカップを置いた。
「とても深い味わいですね。ありがとうございます」
ローゼの取り巻きが、一瞬だけ固まる。
その反応を見て、私は心の中で小さく息をついた。
(よし。乗り切った)
そのあとも嫌がらせは続いた。
「ティアナ嬢、10ページから音読してください」
教官の声に従い、教科書を開く。
――破れている。
10ページだけ、綺麗に切り取られていた。
(嘘でしょ……また?)
視線を横に流すと、ローゼの取り巻きが口元を押さえて笑っている。
(……はいはい。そう来るよね)
でも、大丈夫。
この教科書は、もう何度も読み返した。
10ページの内容なら、全部覚えている。
大丈夫…。
私は、破れたページをそっと閉じ、
まるでそこに文字があるかのように、滑らかに読み上げ始めた。
声は落ち着ちつかせ、抑揚も完璧に。
教官が驚いたように目を見開く。
「そこまででいいですよ。…素晴らしい暗唱ですね」
ローゼの取り巻きたちは、今度こそ完全に黙り込んだ。
(ふぅ……よかった。乗り切った)
胸の奥は少し痛む。
でも、誰にも気づかれないように、静かに息を整えた。



