そんなコンなで毎日修行中!

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 木々の間を縫うようにして山道を三十分ほどのぼっていくと、突然目の前が開け、大きなお屋敷が現れた。


 人間の目には見えないように、周囲には結界が張られているんだって。


 お屋敷の前の庭をキレイに手入れする庭師さん、お屋敷の中にいる長の世話係の人たち。

 当たり前だけど、全員妖狐なんだよね。

 こんなにたくさん妖狐がいるだなんて、人間の世界でずっと暮らしてきたわたしからすると、なんだか信じられない。


 すれ違うたびに、みんな康哉に向かって深々と頭をさげている。

 きっと、長の一番の跡継ぎ候補だから。


 でも、なんていうか……義務的な感じがする。


 わたしのお母さんのせいで、長になれないかもしれないって、前に言ってたっけ。


 お母さんだって、別に里を裏切るつもりなんかなかったはず。

 でも、里の人たちには、そんなふうに思われているんだっていうことが、少し滞在しただけで、イヤっていうほど伝わってくる。


 こんな中で、康哉はずっと育ってきたんだね。


 康哉に恨まれても仕方ない……とは言いたくないけど、康哉の気持ちがわからないほど、わたしだって鈍感じゃない。


 そして、康哉のあとをついて歩くわたしには、康哉以上に厳しい目が向けられている。


 きっと気づかれているに違いない。わたしが、半分人間だってこと。


 つまり――長の孫だってこと。


 今にも不安に押しつぶされてしまいそう。


 おねがい、和真。力を貸して……!


 わたしは、胸に抱いた和真をぎゅっと抱きしめた。