「ほんっとーにすみません!」
千明先輩に謝り倒して、わたしはまた今日も部活を休むことを伝えた。
「大丈夫よ。いつも一生懸命やってくれてるって知ってるから。どうしても外せない用事なんでしょ?」
「はい。でも、本当にすみません。市大会も近いのに」
「じゃあ、今度出てきたときに、二倍働いてくれればいいから」
「わかりました! そのときは、一生懸命がんばりますっ」
千明先輩にぺこっと頭をさげると、わたしは急いで家に帰った。
「和真、ただいま! いい子にしてた?」
部屋に入ると、床に置いたクッションの上でくつろいでいた和真が、ぴょこんと顔をあげる。
「大丈夫だよ。きっと、長が……わたしのおばあちゃんが、なんとかしてくれるからね」
お母さんがいたら面倒なことになりそうだなって思ったけど、幸い買い物にでも行っているのか、留守だった。
和真を連れ出すと、わたしは康哉とともに、白狐の里へとはじめて足を踏み入れた。



