「康哉、おねがい。長に会いたいの。長なら、和真の呪い、なんとかできるんでしょ?」
イヤがる康哉をひと気のない空き教室へと引っ張っていくと、必死に頼み込む。
「人間のクセに、不用意に妖狐に近づくアイツが悪いんじゃない? 自業自得でしょ」
「そんな言い方しないで。みんなと仲よくしたいって、そんなに悪いこと? わたしはそうは思わない。和真は、わたしのヒミツを知っても差別しなかった。わたしは、そういう人間がもっともっと増えてほしいの。そのためにも、和真には絶対に戻ってきてもらわなくちゃ困るの」
「どうして人間なんかのためにそこまで必死になれるわけ? ああ、そうか。そういえば君って半分人間だったっけ?」
笑いながらそんなことを言う康哉を、キッとにらみつける。
「半分人間だとか、半分妖狐だとか、そんなの関係ない! わたしが全部妖狐でも、きっと和真は変わらないし、わたしだって、今と変わらず和真を大事だって思う」
そんなわたしのことを、康哉がさっと表情を消してじっと見つめてくる。
「なにも知らない君のことが、逆にうらやましいよ」
「え? どういう――」
「里に入って、どうなっても知らないからね。僕以上に人間のことを恨んでいるヤツなんか、いくらでもいるんだから」
「それって、長に会わせてくれるってこと?」
「勘違いしないでよ。僕は、人間のことなんか、本当はどうだっていいんだから」
「うん、わかってる。それでも、ありがとう、康哉」
「別に、君にお礼を言われるようなことは、なにもしてないから」
そう言うと、康哉はわたしから視線をそらした。
イヤがる康哉をひと気のない空き教室へと引っ張っていくと、必死に頼み込む。
「人間のクセに、不用意に妖狐に近づくアイツが悪いんじゃない? 自業自得でしょ」
「そんな言い方しないで。みんなと仲よくしたいって、そんなに悪いこと? わたしはそうは思わない。和真は、わたしのヒミツを知っても差別しなかった。わたしは、そういう人間がもっともっと増えてほしいの。そのためにも、和真には絶対に戻ってきてもらわなくちゃ困るの」
「どうして人間なんかのためにそこまで必死になれるわけ? ああ、そうか。そういえば君って半分人間だったっけ?」
笑いながらそんなことを言う康哉を、キッとにらみつける。
「半分人間だとか、半分妖狐だとか、そんなの関係ない! わたしが全部妖狐でも、きっと和真は変わらないし、わたしだって、今と変わらず和真を大事だって思う」
そんなわたしのことを、康哉がさっと表情を消してじっと見つめてくる。
「なにも知らない君のことが、逆にうらやましいよ」
「え? どういう――」
「里に入って、どうなっても知らないからね。僕以上に人間のことを恨んでいるヤツなんか、いくらでもいるんだから」
「それって、長に会わせてくれるってこと?」
「勘違いしないでよ。僕は、人間のことなんか、本当はどうだっていいんだから」
「うん、わかってる。それでも、ありがとう、康哉」
「別に、君にお礼を言われるようなことは、なにもしてないから」
そう言うと、康哉はわたしから視線をそらした。



