「それにしても、山が近いとはいえ、校舎の中にキツネが入り込むなんて、ある意味スクープかもね」
「そ、そうだよね。山の食べ物が少なくなってるってことなのかなあ」
「いいこと言った、李胡! そのあたりの問題と絡めて、なにか記事が書けそうな気がしてきたよ。タイトルは……『化けギツネのウワサの真相に迫る!』うん、これで決まり! それじゃあ、忘れないうちにまとめたいから。ごめん、あたし行くね!」
「うん。この子のことは、わたしに任せて。ちゃんと山に返しておくから。いい記事期待してるね、紗香!」
慌ただしく立ち去る紗香の背中に声をかけると、「うん、期待して待ってて!」と片手をあげて行ってしまった。
はぁ~。とりあえず、わたしのヒミツはバレずにすんだみたい。
よかったぁ。
けど。
相変わらずウルウルした瞳でわたしのことを見あげるキツネと、目線を合わせるようにしてしゃがみ込む。
『……和真?』
目の前のキツネにだけ聞こえるくらいの大きさの声でたずねてみたけれど、わずかに首をかしげるだけで、返事がない。
けど、ニオイでわかる。
これは、間違いなく和真だ。
でも、どうしてこんなことになっちゃってるの?
ひょっとして、康哉がまたわたしにイジワルしようとして?
それとも、黒瀬くん……?
「そ、そうだよね。山の食べ物が少なくなってるってことなのかなあ」
「いいこと言った、李胡! そのあたりの問題と絡めて、なにか記事が書けそうな気がしてきたよ。タイトルは……『化けギツネのウワサの真相に迫る!』うん、これで決まり! それじゃあ、忘れないうちにまとめたいから。ごめん、あたし行くね!」
「うん。この子のことは、わたしに任せて。ちゃんと山に返しておくから。いい記事期待してるね、紗香!」
慌ただしく立ち去る紗香の背中に声をかけると、「うん、期待して待ってて!」と片手をあげて行ってしまった。
はぁ~。とりあえず、わたしのヒミツはバレずにすんだみたい。
よかったぁ。
けど。
相変わらずウルウルした瞳でわたしのことを見あげるキツネと、目線を合わせるようにしてしゃがみ込む。
『……和真?』
目の前のキツネにだけ聞こえるくらいの大きさの声でたずねてみたけれど、わずかに首をかしげるだけで、返事がない。
けど、ニオイでわかる。
これは、間違いなく和真だ。
でも、どうしてこんなことになっちゃってるの?
ひょっとして、康哉がまたわたしにイジワルしようとして?
それとも、黒瀬くん……?



