そんなコンなで毎日修行中!

「だから、とりあえず校内を一周したら、男子トイレで張り込みをしようと思ってるんだ」

「えぇっ⁉ 男子トイレはさすがにマズいって」

「誰もいなければ、平気だよ」


 そんな言い合いをしながら廊下の角を曲がったところで、わたしたちはぴたりと足を止めた。


 そこにいたのは、わたしたちのことを、ウルウルした瞳で見あげる……一匹のキツネ。


「え、超カワイイんだけど! ひょっとして、君が人間に化けるっていうウワサのキツネくん⁉」


 キツネに話しかけながら、紗香がカメラのシャッターをカシャカシャと何度も切る。


「ねえ、君。今度は人間に化けて見せてくれない?」

「ち、ちょっと、紗香ってば」


 スクープを目の前にして、怖いもの知らずすぎて、逆に怖いんだけど。


「……って、どう見ても、ただのキツネだよね。ま、ウワサの真相なんて、こんなもんかー」

 残念そうに小さくため息をつくと、紗香がカメラをおろす。


 その様子に、こっそり安堵のため息をつくわたし。