お隣の、わたしんちに一番近い、二階の角部屋の電気がパッと灯る。
……よかった。和真、無事帰ってきたみたい。
はぁーー、と大きく息をはくと、ぱんぱんっと自分のほっぺたを軽くたたく。
ほらね。黒瀬くんだって、きっと人間と仲よくできるんだよ。
わたしが信用しなくて、誰が信用するの?
……って、わたし、この前おもいっきり黒瀬くんに襲われたんだけどさ。
でも、周りは敵ばかりじゃないってことを、黒瀬くんにも知ってほしい。
そうしたら、学校生活だって、きっともっと楽しくなると思うから。
でも……。
いつも和真が素振りをしているはずのところには、ぽっかりとスペースが空いたまま。
やっぱりちょっと……ううん、すごく寂しくて、なんだか胸がぎゅっとする。
いやいや。和真には和真の付き合いだってあるんだし。
いつまでもわたしの特訓に付き合わせるわけにはいかないよね。
和真が笑顔でいてくれるのが、わたしだって一番うれしいし。
「そうだ! 和真がいない間にめちゃくちゃ上手になって、びっくりさせてやろう」
そう思ったら、がぜんやる気が出てきたよ!
実は、ちょっと前から一人のときにこっそり練習してる狐火の術があるんだよね。
黒瀬くんみたいなのは、どうがんばってもできなかった。
だったら、わたしオリジナルの術ができないかなって。
あれを完璧にできるようにして、和真をびっくりさせてやるんだから。



