練習が終わり、他の部員に混じって帰り支度をする和真の様子をうかがっていたら、すぐそばにいる黒瀬くんと、なにやら話しはじめた。
……なに話してるんだろ。めちゃくちゃ気になるんだけど。
立ちあがって、一人でさっさと歩きはじめた黒瀬くんの背中を、和真が追う。
「悪ぃ。今から黒瀬とちょっと自主練してから帰るわ」
和真が、わたしに向かってそう言いながら片手をあげる。
「俺はそんなことをするとは、ひと言も言っていない」
「まーまー、いいから、いいから」
和真が、眉をひそめる黒瀬くんの肩に手を回す。
「黒瀬の身体能力があれば、絶対いいとこ行けるから。そのためにもヒミツの特訓。な!」
どうしたんだろ、急に。
こんなふうに親しげにしゃべっているところなんて、一度も見たことなかったのに。
まあ、基本面倒見のいい和真のことだから、野球初心者の黒瀬くんに、いろいろ教えてあげようと思っただけなのかもだけど。
それにしても、黒瀬くんと二人きりだなんて、不安しかない。
心配だけど……和真なら、「人間にもいいヤツがいる」っていうことを、黒瀬くんに知ってもらうきっかけになるかもだし。
黒瀬くんも、本当に野球がやりたくて野球部に入っただけみたいだしね。
うん。和真なら、きっと大丈夫。
不安な心にふたをして、わたしは二人のうしろ姿を黙って見送った。
……なに話してるんだろ。めちゃくちゃ気になるんだけど。
立ちあがって、一人でさっさと歩きはじめた黒瀬くんの背中を、和真が追う。
「悪ぃ。今から黒瀬とちょっと自主練してから帰るわ」
和真が、わたしに向かってそう言いながら片手をあげる。
「俺はそんなことをするとは、ひと言も言っていない」
「まーまー、いいから、いいから」
和真が、眉をひそめる黒瀬くんの肩に手を回す。
「黒瀬の身体能力があれば、絶対いいとこ行けるから。そのためにもヒミツの特訓。な!」
どうしたんだろ、急に。
こんなふうに親しげにしゃべっているところなんて、一度も見たことなかったのに。
まあ、基本面倒見のいい和真のことだから、野球初心者の黒瀬くんに、いろいろ教えてあげようと思っただけなのかもだけど。
それにしても、黒瀬くんと二人きりだなんて、不安しかない。
心配だけど……和真なら、「人間にもいいヤツがいる」っていうことを、黒瀬くんに知ってもらうきっかけになるかもだし。
黒瀬くんも、本当に野球がやりたくて野球部に入っただけみたいだしね。
うん。和真なら、きっと大丈夫。
不安な心にふたをして、わたしは二人のうしろ姿を黙って見送った。



