そんなコンなで毎日修行中!

***


「そっか、そっか。入部、決めてくれたんだね。ありがとう!」

 もう逃がさないよと言わんばかりに、千明先輩がわたしの両手をぎゅっと握ってくる。


 翌日の昼休みに顧問の秋葉先生に入部届を提出し、放課後さっそく野球部に顔を出すと、千明先輩の大歓迎を受けた。


「部員のみなさんのために精いっぱいがんばるので、これからよろしくおねがいします!」

 じゃっかん緊張ぎみにあいさつし、ぺこりと頭をさげる。


 そんなわたしに、

「そんなに固くならなくても大丈夫だよー。リラックスしてね」

 と、千明先輩が、明るく笑いかけてくれた。


 こうやって、きっといつも部員のことを細かく気遣っているんだろうな。


 黒瀬くんの監視が入部の一番の目的だけど、だからってマネージャーの仕事をいいかげんにはしたくない。

 わたしも、少しでも早く千明先輩みたいになれるように、がんばらなくっちゃ。


「それじゃあ、さっそくで悪いんだけど、道具の準備を手伝ってくれる?」

「はいっ、わかりました!」


 千明先輩と二人で、部員がアップする様子を横目に見つつ、体育倉庫からボールの入ったカゴを出したり、バットの準備をしたり。

 そうこうしているうちに、キャッチボールがはじまった。


 だけど、ぽつんとたたずむひょろっと背の高い男子が一人。

 黒瀬くんだ。


 うーん……相変わらず声をかけづらい空気をまとっているからなあ……。


 あぁっ。相手がいないからって、一人で壁当てなんかはじめようとしてるし。