そんなコンなで毎日修行中!

 びゅんっ! びゅんっ!


 少し離れたところから、和真が野球のバットで素振りをする音が、規則正しく聞こえてくる。


 うん、和真もがんばってるんだもん。

 わたしも落ち込んでばかりいないで、がんばらなくっちゃだよ。


 ぐっと両方のこぶしを握りしめて、気合を入れ直す。


 お隣に住む幼なじみの岡林和真は、わたしが半妖だっていうことを唯一知っている人間の男の子。

 実は幼稚園に通っていたときに、他の男の子にイジワルされて、びっくりした拍子にキツネの耳としっぽが出ちゃったことがあって。

 その子がね、そのことをみんなに言いふらしたんだ。

「こいつ、キツネがばけてるぞ!」って。


 結果的には、誰もその子の話を信じなかったんだけど、それから幼稚園に行くのが怖くなって、しばらくお休みしちゃったんだ。


 そんなとき、「だいじょうぶ。なにかあったら、ボクがかならずリコちゃんをまもるから。だから、いっしょにようちえん、いこ」って言ってくれたのが、和真だった。

 和真にも、あのときキツネの耳としっぽを見られちゃったんだけど、いくら「かずまもみてたよな⁉」ってあの男の子に迫られても、和真は「そんなもの、みてないよ」って言ってくれたの。


 あのとき言ってくれた「まもるから」っていう言葉通り、わたしが気づかないうちに耳やしっぽが出ちゃったときは、いつもみんなから見えないようにそっと隠してくれるんだ。

 だからね、和真には、感謝してもしきれないくらいの恩がある。

 あのあと幼稚園に戻れたのも、和真のおかげ。