そう言ってお母さんは、おばあちゃんのことや、今度ある里長の代替わりのことなんかを、はじめて教えてくれた。
「わたしは里を出てしまったから、妹の子の康哉くんが、きっと長の第一候補なのね。でも、わたしが人間と結婚してしまったせいで、反対の声も大きいんだと思うわ」
お母さんが、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ねえ、お母さん。それって、わたしもなれたりするの?」
「李胡……」
わたしが前に乗り出すようにして言うと、お母さんは困ったような表情を浮かべた。
「わたしが長になったら、お母さんが自由に里に入れるようにできる? そうしたら、おばあちゃんにも会いに行ける?」
「李胡。いつも言っているでしょ? あなたは、ここで人間として生きていくの。里と関わっても、あなたがツラい思いをするだけよ」
「でも……」
「ほら。夕飯の支度をするから、李胡も手伝ってちょうだい。今日は、お父さんの大好きなカレーライスよ」
「……うん。わたしもカレーライス大好き」
お母さんがにっこり笑って見せるから、わたしもにこっと笑って返した。
なんとなくごまかされた感じだったけど、お母さん、わたしが長になるのは絶対にムリだとは言わなかった。
っていうことは、可能性はゼロじゃないってこと?
半妖のわたしにでも、なれるかもしれないってことだよね?
そう思ったら、じっとしていられなくて、和真が素振りをしているそばで、わたしもニガテな狐火の練習をするようになったの。
変化の術では、きっと康哉には敵わない。
だったら、別のことをがんばろうって。
「わたしは里を出てしまったから、妹の子の康哉くんが、きっと長の第一候補なのね。でも、わたしが人間と結婚してしまったせいで、反対の声も大きいんだと思うわ」
お母さんが、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ねえ、お母さん。それって、わたしもなれたりするの?」
「李胡……」
わたしが前に乗り出すようにして言うと、お母さんは困ったような表情を浮かべた。
「わたしが長になったら、お母さんが自由に里に入れるようにできる? そうしたら、おばあちゃんにも会いに行ける?」
「李胡。いつも言っているでしょ? あなたは、ここで人間として生きていくの。里と関わっても、あなたがツラい思いをするだけよ」
「でも……」
「ほら。夕飯の支度をするから、李胡も手伝ってちょうだい。今日は、お父さんの大好きなカレーライスよ」
「……うん。わたしもカレーライス大好き」
お母さんがにっこり笑って見せるから、わたしもにこっと笑って返した。
なんとなくごまかされた感じだったけど、お母さん、わたしが長になるのは絶対にムリだとは言わなかった。
っていうことは、可能性はゼロじゃないってこと?
半妖のわたしにでも、なれるかもしれないってことだよね?
そう思ったら、じっとしていられなくて、和真が素振りをしているそばで、わたしもニガテな狐火の練習をするようになったの。
変化の術では、きっと康哉には敵わない。
だったら、別のことをがんばろうって。



