恋は手のひらの上で

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会計を済ませて店を出ると、夜の通りはまだ騒がしい。

酔った声や笑い声が、あちこちから聞こえてくる。
紗英が伸びをしていた。


「まあ、さ」

麻耶が肩をすくめる。

「独身貴族でもいいけど」

目を細めて、意味ありげに笑う。

「どうせそのうち誰かに捕まるよ」

「は?捕まらねーよ」


そう言いながら歩き出す。
空を見上げたら、曇っていた。


悪くない、こんな夜も。



✧*。こんどこそ、おしまい✧*。