恋は手のひらの上で

私の浮かない表情の理由がそれだなんて、この二人に知られるのはかなり恥ずかしい。
でも、もはや隠せないくらい寂しい。

紗英は腕を組んで、ぐびっとカクテルを飲んだ。

「へぇー。芽依って意外と溺れるタイプなのね」

「お、溺れる!?」

「そうじゃん。仕事人間だと思ってたよ。恋愛は言うてそこまで占めてないというか」

続いて麻耶まで「たしかに」なんて相槌を打っている。


「会えてないって、どれくらい?」

麻耶に尋ねられ、ふと考える。
考えている間、彼女は何度もビールを飲んでいる。
半分くらいあったビールが、空になる。

「…ねぇ、まだ?」

痺れを切らしたのは、麻耶ではなく紗英だった。
同時に私は「三週間」とつぶやいていた。

「え?」
「なんて言った?」

「…今日で三週間くらい」

二人が仰け反る。

「ちょっと!それはもう、付き合ってない!」

悪意があるのかないのか、紗英の言葉のナイフが私を突き刺す。

「えっ…付き合って…ない?」

「い、いや、そういう恋人の形もあるよ」

だいぶショックを受けている私を見て、麻耶が慌ててフォローしてくれたけれど。

紗英のグラスもいつの間にか、空だ。
そのグラスをどん!とテーブルに置く。

「意思確認はちゃんとしたの?」

「意思確認?」

ワインを口に含んで首をかしげたら、紗英は力強くうなずいた。

「お互い好きなんだよね?そこはちゃんと通じてる?」

「そ、それは…」