僕のHeartbeat〜落ちこぼれアンドロイドと天才〜

「実は嫁が入院してさ。お見舞い行くつもりなんだけど、やっぱり花とか持ってった方がいいのか?こういうのよくわかんなくて」

「女心で話すなら、お花買ってきてくれると嬉しいかもですね。人によるでしょうけど、私は嬉しいです」

ラナの言葉に男性研究者はため息を吐く。

「う〜ん。でもどんな花がいいかな」

その男性研究者のデスクはラナと近い。そのため、デスクが自然と目に入る。シリルの頭にデスクに飾られている写真が浮かんだ。

「黄色のバラ……」

シリルの言葉にラナと男性研究者が同時に彼の方を見る。シリルは拳を握り締め、続けた。

「奥さんが黄色のバラの花束を持って立っている写真、飾ってありますよね?黄色のバラ、奥さん好きなんじゃないですか?」

「黄色のバラか〜」

男性研究者が顎に手を当てる。その時だった。

「最悪のチョイスです。アンドロイドとして失格です」

淡々と機械的な声が響いた。女型のアンドロイドはシリルを睨み付けている。