僕のHeartbeat〜落ちこぼれアンドロイドと天才〜

ラナが研究を始めると、シリルはほとんどすることはない。ラナは薬品を組み合わせ、真剣な表情で試験管を見ている。ラナがどういう研究をしているか知っているものの、使っている薬品がどのようなものでどんな特性があるのかなどはシリルはわからないのだ。

(覚えようとしたけど、複雑すぎて覚えられなかったんだよね……)

ラナが研究に集中している時間帯は、シリルは棚の書類の整理をしたり、研究室の掃除をしたりして過ごす。すると必ず一人には言われてしまう。

「研究の手伝いをするのがアンドロイドの仕事だろ」

その言葉にシリルは何も言い返すことができない。研究の手伝いがほとんどできていないのは事実だ。

(僕は、落ちこぼれだから……)

スクラップ工場行きがほとんど確定していた状態だったあの日、奇跡的にラナに買われたのだ。勉強も、運動も、何もかもがラナに負けている。

「シリル!棚の整理してくれてありがと!ちょっと話し相手になってくれない?」