「なんていい匂い! もう見てるだけで美味しいわ」
ねじり鉢巻のおじさんが、目にも止まらぬ速さでくるくるとピックで回転させるたこ焼きに、絵美梨は目を輝かせる。
「おもろいこと言うわー、おねえちゃん。見てても腹は膨れへんで。お? えらいべっぴんさんやな。おまけしたろ」
「まあ、ありがとうございます! 大将の技、凄いですね。黄金のたこ焼きフィンガー!」
「せやろ? ワシの手にかかれば、チョチョイのチョチョイ。おっと、5つもおまけしてしもたわー」
あはは!と絵美梨は、子どものように無邪気に笑った。
「はい、おつりは200万両」
「ふふふ、おおきにー」
絵美梨は両手でたこ焼きを受け取ると、川沿いのベンチに座る。
「お嬢様、持ち帰りにしてホテルで召し上がってはいかがですか?」
要が声をかけると、絵美梨は笑みを消してジロリと要を睨んだ。
「緋山、あなたたこ焼きをいただく心得も知らないの? ソウルフードをなんだと思ってる? アツアツのたこ焼きをその場で頬張るから美味しいのであって、ホテルのスイートルームで食べたら美味しさが半減してしまうわ。もっとTPOをわきまえなさい」
「はい、失礼しました」
仕方なく、要も隣に座ってたこ焼きを頬張る。
「緋山、だめ! 丸ごと口に入れたら……」
「熱っ!!」
「だから言ったのに」
絵美梨はたこ焼きをベンチに置くと、タタッと近くの自動販売機に行き、冷たいお茶を買って戻った。
「ほら、飲んで」
「ありがとうございます。……はあ、火傷するかと思いました」
「焼きたてのたこ焼きの食べ方も知らないの? 本当に火傷するわよ」
「油断した訳ではないのですが、大阪の本気のたこ焼きパワーを甘く見ていました。申し訳ありません」
すると絵美梨はキョトンとしてから、おかしそうに笑い出す。
「あはは! さすがの緋山も、本場のたこ焼きの威力には勝てないわね」
そう言うと、たこ焼きの端に爪楊枝で切り口を入れてから、ふうふう冷ましてパクッと口に入れた。
「んー、美味しい!ふわふわでトロッとしてて、これぞ真のたこ焼き! 私が今まで食べていたたこ焼きは、なんだったのかしら。 This is たこ焼き」
「お嬢様、あの」
「なによ?」
「いえ、なにも」
テンションの高い絵美梨に、要は黙ってたこ焼きを味わっていた。
ねじり鉢巻のおじさんが、目にも止まらぬ速さでくるくるとピックで回転させるたこ焼きに、絵美梨は目を輝かせる。
「おもろいこと言うわー、おねえちゃん。見てても腹は膨れへんで。お? えらいべっぴんさんやな。おまけしたろ」
「まあ、ありがとうございます! 大将の技、凄いですね。黄金のたこ焼きフィンガー!」
「せやろ? ワシの手にかかれば、チョチョイのチョチョイ。おっと、5つもおまけしてしもたわー」
あはは!と絵美梨は、子どものように無邪気に笑った。
「はい、おつりは200万両」
「ふふふ、おおきにー」
絵美梨は両手でたこ焼きを受け取ると、川沿いのベンチに座る。
「お嬢様、持ち帰りにしてホテルで召し上がってはいかがですか?」
要が声をかけると、絵美梨は笑みを消してジロリと要を睨んだ。
「緋山、あなたたこ焼きをいただく心得も知らないの? ソウルフードをなんだと思ってる? アツアツのたこ焼きをその場で頬張るから美味しいのであって、ホテルのスイートルームで食べたら美味しさが半減してしまうわ。もっとTPOをわきまえなさい」
「はい、失礼しました」
仕方なく、要も隣に座ってたこ焼きを頬張る。
「緋山、だめ! 丸ごと口に入れたら……」
「熱っ!!」
「だから言ったのに」
絵美梨はたこ焼きをベンチに置くと、タタッと近くの自動販売機に行き、冷たいお茶を買って戻った。
「ほら、飲んで」
「ありがとうございます。……はあ、火傷するかと思いました」
「焼きたてのたこ焼きの食べ方も知らないの? 本当に火傷するわよ」
「油断した訳ではないのですが、大阪の本気のたこ焼きパワーを甘く見ていました。申し訳ありません」
すると絵美梨はキョトンとしてから、おかしそうに笑い出す。
「あはは! さすがの緋山も、本場のたこ焼きの威力には勝てないわね」
そう言うと、たこ焼きの端に爪楊枝で切り口を入れてから、ふうふう冷ましてパクッと口に入れた。
「んー、美味しい!ふわふわでトロッとしてて、これぞ真のたこ焼き! 私が今まで食べていたたこ焼きは、なんだったのかしら。 This is たこ焼き」
「お嬢様、あの」
「なによ?」
「いえ、なにも」
テンションの高い絵美梨に、要は黙ってたこ焼きを味わっていた。



