ただそこに愛があるなら

それからの絵美梨は、女子会が本当に楽しみなようで、その日をわくわくと待ちわびる。

その姿は微笑ましいが、一方で要は冷静に考えた。

(やはり本当にお嬢様を一人にする訳にはいかない。見つからないよう、こっそりあとをつけるしかないか……)

申し訳なさを感じつつ、当日要は、少し離れたところから絵美梨を見守ることにした。

そしてやってきたその日。
部屋で鼻歌交じりに支度を整えると、絵美梨は嬉しそうに浜子を振り返った。

「じゃあね、浜子さん。行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。お嬢様、くれぐれもお気をつけて。17時にはお帰りくださいませね」
「はーい!」

白と黒のドッキングワンピースに、グレンチェックのコートを合わせ、髪を低いポニーテールに結った絵美梨は、明るい笑顔を残して玄関を出た。

その姿を見送ると、浜子はリビングのドアを開ける。

「要さん、お嬢様がお出かけよ」
「分かりました。すぐに追いかけます」

黒いロングコートにサングラスとマスクを着けた要は、急いで部屋を出た。

「なんだか怪しさ満点ね。不審者だと思われないように気をつけて」
「行ってきます」

不安そうな浜子にしっかと頷き、要は屋敷をあとにした。