「お待たせいたしました。ロイヤルミルクティーとシフォンケーキでございます。アプリコットジャムとホイップクリームをお好みでどうぞ」
「ありがとうございます。美味しそう」
「絵美梨お嬢様は、小さい頃からこのシフォンケーキがお好きでしたよね」
「そうなの。ふわふわでしっとりしていて、優しい味わいが大好き。ジャムとホイップもとてもよく合うし。ここに来ると、必ずこのシフォンケーキを食べさせてもらっていたのを覚えています」
「懐かしいですね」
二人で微笑み合ってから、スタッフは関野の前にコーヒーを置き、「どうぞごゆっくり」と去っていく。
絵美梨が「いただきます」とシフォンケーキをひと口頬ばると、コーヒーを飲みながら関野が笑いかけた。
「本当に可愛らしいな、絵美梨さんは。そんなのでよければ、これからいくらでも食べさせてあげるよ」
絵美梨はピタリと手を止める。
(そんなの、とは? 食べさせて、あげる?)
このモヤモヤはどうすれば良いのだろう。
せっかくシフォンケーキを美味しく味わっていたのに、絵美梨は気持ちが沈んできた。
関野はそんな絵美梨の様子にも気づかず、スマートフォンをいじり始める。
「さすがは絵美梨さんですね。すごい勢いでコメントがつく」
「え? なんのことでしょう」
いぶかしがると、関野は絵美梨に画面を見せた。
どうやら関野のSNSらしく、そこには先程の日本庭園に佇む絵美梨の写真が載せられている。
「えっ、まさか。わたくしの写真を投稿されたのですか?」
「そうですよ。ご自分ではなかなかアップしづらいでしょ? 自慢みたいで妬まれかねない。だから私が代わりに、あなたの美しい姿をアピールして差し上げました」
感謝してくれと言わんばかりの関野の態度に、絵美梨はもはやなにも言葉が出てこない。
込み上げてくる怒りをなんとか抑えて、冷静に口を開いた。
「すぐに削除してください。お願いします」
「どうして? ほら、見てよこのコメント。【正真正銘の美しいお嬢様】【まさに日本のセレブ】【写真集にしてほしい】だって」
明るく笑う関野に、絵美梨はワナワナと震える。
なんとか気持ちを抑えようと、唇を噛みしめた時だった。
「ありがとうございます。美味しそう」
「絵美梨お嬢様は、小さい頃からこのシフォンケーキがお好きでしたよね」
「そうなの。ふわふわでしっとりしていて、優しい味わいが大好き。ジャムとホイップもとてもよく合うし。ここに来ると、必ずこのシフォンケーキを食べさせてもらっていたのを覚えています」
「懐かしいですね」
二人で微笑み合ってから、スタッフは関野の前にコーヒーを置き、「どうぞごゆっくり」と去っていく。
絵美梨が「いただきます」とシフォンケーキをひと口頬ばると、コーヒーを飲みながら関野が笑いかけた。
「本当に可愛らしいな、絵美梨さんは。そんなのでよければ、これからいくらでも食べさせてあげるよ」
絵美梨はピタリと手を止める。
(そんなの、とは? 食べさせて、あげる?)
このモヤモヤはどうすれば良いのだろう。
せっかくシフォンケーキを美味しく味わっていたのに、絵美梨は気持ちが沈んできた。
関野はそんな絵美梨の様子にも気づかず、スマートフォンをいじり始める。
「さすがは絵美梨さんですね。すごい勢いでコメントがつく」
「え? なんのことでしょう」
いぶかしがると、関野は絵美梨に画面を見せた。
どうやら関野のSNSらしく、そこには先程の日本庭園に佇む絵美梨の写真が載せられている。
「えっ、まさか。わたくしの写真を投稿されたのですか?」
「そうですよ。ご自分ではなかなかアップしづらいでしょ? 自慢みたいで妬まれかねない。だから私が代わりに、あなたの美しい姿をアピールして差し上げました」
感謝してくれと言わんばかりの関野の態度に、絵美梨はもはやなにも言葉が出てこない。
込み上げてくる怒りをなんとか抑えて、冷静に口を開いた。
「すぐに削除してください。お願いします」
「どうして? ほら、見てよこのコメント。【正真正銘の美しいお嬢様】【まさに日本のセレブ】【写真集にしてほしい】だって」
明るく笑う関野に、絵美梨はワナワナと震える。
なんとか気持ちを抑えようと、唇を噛みしめた時だった。



