ただそこに愛があるなら

数日後。
戸川はサロン・ド・エクセルシアのスタッフを労い、会社同士も交流を深めたいと、絵美梨たちをパーティーに招いた。

「皆さん、今回は本当にお世話になりました。当初の想像以上に反響があり、マッチングアプリの登録者数も一気に増えました。なによりも、企業のイメージアップに繋がったことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」

戸川の挨拶のあと、社員たちも「ありがとうございました!」とお礼を口にする。

「こちらこそ、大変貴重な経験をさせていただきました。誰かの幸せのお手伝いが出来るのは、こんなにも幸せなことなのだと改めて気づかされました。由美さんとの時間は、私たちスタッフにとっても宝物です。すてきなご縁をいただいたことに感謝いたします。ありがとうございました」

絵美梨がお辞儀をし、乃亜たちも「ありがとうございました」と頭を下げた。

「では堅い挨拶はここまで。このあとはフランクに楽しみましょう。乾杯!」
「乾杯!」

そのあとは会社の垣根を越えて、賑やかに立食パーティーを楽しむ。

「今日はもりもり食べてじゃんじゃん飲んじゃいますよー!」

張り切る乃亜に苦笑いを浮かべていると、戸川がやって来て絵美梨に声をかけた。

「絵美梨さん、少しいいかな?」
「はい」

促されて、絵美梨は戸川とバルコニーに出る。

「寒くない? 身体が冷えるといけない」

そう言って戸川は、着ていたジャケットを脱いで絵美梨に羽織らせた。

「いえ、大丈夫です」

絵美梨が返そうとすると、戸川はその手を握ってベンチに座らせる。