ただそこに愛があるなら

忙しさが続く中、ある日戸川から絵美梨に連絡がきた。

『次回のデートで由美さんにプロポーズすると、お相手の男性がおっしゃっています。ご本人には内緒ですが、それとなくスタイリングは力を入れてください』
「かしこまりました」

サロンのスタッフは皆、まるで自分のことのようにドキドキそわそわし始める。

「ど、どうしよう。緊張して手が震えちゃう」
「乃亜ちゃん、だめよ。由美さんに気づかれないようにね」
「はい、がんばります。あー、もう、涙が出ちゃいそう」
「乃亜ちゃん! お願いだからがんばって」

その日はサロンのスタッフ全員でフォローすることにした。