ただそこに愛があるなら

由美の交際は順調らしく、その後も2週間に1回はサロンを訪れてからデートを重ねている。

会う度に美しくなっていく由美は恋する女性そのもので、自信がついたのか明るい笑顔も増えた。

「由美さん、これからはご自分でヘアメイクしてみましょう」

乃亜の提案で、由美はメイクの仕方や簡単なヘアアレンジを覚えていく。

洋服も、予め自分で用意したものを着てきて、絵美梨が着こなし方や見せ方の工夫を伝えるだけになった。

そしていよいよ、これまで撮影してきた動画を編集し、マッチングアプリのホームページやSNSで公開する。

由美がどんどん美しくなっていく様子は予想以上に反響があり、応援コメントで溢れていた。

「どうしよう、これで彼にフラれちゃったら」

由美はそう心配していたが、戸川によると、お相手の男性はかなり由美に本気で、結婚を考えているらしい。

37歳の誠実そうな会社員で、物静かなところが由美とも合っていると戸川は話していた。

「実は今お相手の方から、プロポーズの時期やシチュエーションを相談されているんです。絵美梨さん、さり気なく由美さんの指輪のサイズを探ってもらえますか?」

戸川にそう言われ、絵美梨は京華に相談してみた。

京華はあっさり「由美さんの左手の薬指ですか? 11号です」と答えて、絵美梨を驚かせる。

「え、京華ちゃん、由美さんに聞いてみたの?」
「いえ、ネイルする時に見ていれば分かりますから」

乃亜が「すごい! さすがはゴッドハンド。目利きの京華!」と声を上げる。

「乃亜ちゃん、色々組み合わせないで」

京華が呆れて、皆で笑い合った。